...わしは休みなく彼方此方と歩きながら、歩を転ずる毎に、屍体をのせた寝床の前に佇んで、其透いて見えさうな経帷子の下に、横はつてゐる優しい屍(しかばね)の事を、何と云ふ事もなく想ひはじめた、わしの頭脳には、熱した空想が徂徠して来たのである...
テオフィル・ゴーチエ Theophile Gautier 芥川龍之介訳 「クラリモンド」
...ふと眼を地上に転ずると...
アナトール・フランス Anatole France 芥川龍之介訳 「バルタザアル」
...我々が三十年前の我国の有様に眼を転ずる時...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...――それで話題を転ずる便宜として言ったのだ...
高見順 「如何なる星の下に」
...車輪は地について転ずるものである...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...その上深入りすることよりもむしろ心を転ずることを求めていた...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...ことさらな方向に眸子(ひとみ)を転ずる事なしに...
夏目漱石 「行人」
...仕方がないからまた眼を庭の方へ転ずると...
夏目漱石 「趣味の遺伝」
...今度は話題を転ずる...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...話頭を転ずる為に...
牧野信一 「鏡地獄」
...農業に対する奨励ではなくなり阻害に転ずるという点に...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...きわめて軽い動きによって全くあべこべの状態に転ずるものだから』と」...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...一朝事件が彼らに不利に転ずる場合...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...それは罪に転ずるであろう...
柳宗悦 「工藝の道」
...多くの個人的作家が「工藝」を去って「工藝美術」に転ずるのは...
柳宗悦 「工藝の道」
...必然機械の競争に転ずる...
柳宗悦 「工藝の道」
...北陸ここで道を北陸に転ずることと致しましょう...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...僕等は別荘地に成つて居る対岸の山の手を望んで架せられたツウルの大石橋(せきけう)が水に落した倒影を眺めた丈(だけ)でも姑(しばら)くは目を転ずる事が出来なかつた...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
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