...既に帝室技芸員という名称の下に身を置くものは一層身の行いを正し...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...自分も同じ暗黒世界に身を置くことがこの上もなく楽しかった後に公然と稽古することを許可されてからもこいさんと同じにしなければ済まないと云って楽器を手にする時は眼をつぶるのが癖(くせ)であったつまり眼明きでありながら盲目の春琴と同じ苦難を嘗(な)めようとし...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...二十年前には村の中にも其五尺の身を置く事が出来なかつたのであるが...
田山花袋 「重右衛門の最後」
...斯様な境涯に身を置く人に同情があるならば...
近松秋江 「別れたる妻に送る手紙」
...他人の名前を盗み取ってその下に身を置くのは...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...その身を置くことが一歩々々恐しく思はれてならなくなつたのだ...
永井荷風 「買出し」
...いろ/\手ちがひのため一時身を置く処もなき始末となれり...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...わたしはここにも身を置くことはできなくなるでしょう...
中里介山 「大菩薩峠」
...身を置くところはございません」「困ったな!」「全く...
中里介山 「大菩薩峠」
...とにかく政治的鬪爭に身を置く同志達は...
槇本楠郎 「プロレタリア童謠の活用に關する覺書」
...影の中に身を置く)コノール わがこころの心...
フィオナ・マクラウド Fiona Macleod 松村みね子訳 「ウスナの家」
...復讐さえしそこなった小町の絶望困惑身を置くところも知らない爺とに...
宮本百合子 「気むずかしやの見物」
...五百は此(かく)の如き地位に身を置くことを欲せぬのである...
森鴎外 「渋江抽斎」
...身を置くに所無く...
夢野久作 「白くれない」
...今身を置く郷との間に心を漂わせぬものは...
横光利一 「旅愁」
...身を置く国もありますまい」「わかりました」魯粛は...
吉川英治 「三国志」
...多少内的生命を有する人にしてなお虚栄に沈湎して哀れむべき境地に身を置く人がある...
和辻哲郎 「霊的本能主義」
...宇宙の森羅万象の根底にひそむ悲哀を悟得し芸術にその糧を得て現世の渦中に身を置く...
和辻哲郎 「霊的本能主義」
便利!手書き漢字入力検索