...女房は女房で軍手の賃仕事をしているが...
海野十三 「空襲警報」
...夜更(よふ)けまで賃仕事にいそしむ母親の繰(く)り言(ごと)を聞くと...
田山花袋 「田舎教師」
...そばでは母親が賃仕事(ちんしごと)のあい間を見て清三の綿衣(わたいれ)を縫っていた...
田山花袋 「田舎教師」
...南辺(みなみへん)に賃仕事して裏家住み...
近松秋江 「黒髪」
...久恵の賃仕事と敏子のデパート勤めとが済んだ宵の...
豊島与志雄 「女心の強ければ」
...木綿糸を績(つむ)ぐ下地をする賃仕事がある...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...それをこの賃仕事でこしらえるのだといった...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...賃仕事などをして細々とその日その日を送っている後家だと申すことでございます――が」「そんな事はどうでもよい...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...疣尻巻(いぼじりまき)にして賃仕事でも始めてみろとな...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...甲斐々々しく賃仕事をして...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...賃仕事で小綺麗に暮してゐるだけに...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...賃仕事に追われがちだった内儀さんの指さきが今もその仕来りからお針が離せないのである...
矢田津世子 「神楽坂」
...このすまなさを何かで償いたいとの心がけから内儀さんの賃仕事を手伝ったり...
矢田津世子 「神楽坂」
...母娘のものは賃仕事に精を出した...
矢田津世子 「※[#「やまいだれ+句」、第4水準2-81-44]女抄録」
...どこからか賃仕事を探してきては...
矢田津世子 「※[#「やまいだれ+句」、第4水準2-81-44]女抄録」
...ひきこもって刻(とき)かまわずに賃仕事をし...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...おまけに下女に賃仕事までさせておいでなさる」「待て」と彼は遮った...
山本周五郎 「あだこ」
...「どうしてあたしをおかみさんにしてくれなかったの」おのぶは涙のあふれ出るままの眼で栄二をみつめながら云った、「あたしがこんなにあんたが好きなのに、あたしならきっといいおかみさんになってみせたのに、賃仕事どころか、あんたのためならあたしは、よろこんで身売りだってしたのに」「浅黄(あさぎ)幕が落ちて、口上(こうじょう)から世話場(せわば)があいたというところだな」栄二はなにも聞かなかったような口ぶりで云った、「――うちで心配しているといけないから帰る、ありがとうよ」「まだいや、帰っちゃあ」と云っておのぶは栄二の手をすばやく握った、「一生のお願い、もう少しここにいてちょうだい」栄二はふところへしまった金包みを出してみせた、「これを忘れちゃあいないだろうな」おのぶはその包みを見るなり、崖(がけ)から落ちでもしたように昂奮からさめ、けだるそうにおくれ毛を掻(か)きあげながら、そっとはにかみ笑いをした...
山本周五郎 「さぶ」
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