...今なら幸子も雪子も一緒に附いて来る筈がないのを見越し...
谷崎潤一郎 「細雪」
...その時を見越しているのであった...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のおんな」
...その時を見越してゐるのであつた...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...艦首にうごめく番兵の影を見越して...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...この凶作を見越した米価の極度の騰貴は...
戸坂潤 「社会時評」
...両側に立ちつゞく人家の中には木目(もくめ)の面白い一枚板をつかつた潜門(くゞりもん)に見越しの松なども見える...
永井荷風 「来訪者」
...物があってその物を説明するために定義を作るとなると勢いその物の変化を見越してその意味を含ましたものでなければいわゆる杓子定規(しゃくしじょうぎ)とかでいっこう気の利(き)かない定義になってしまいます...
夏目漱石 「現代日本の開化」
...御用だぞッ」張子の見越しの入道を引っくり返すと...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...ゆくすえの幕政倒壊を見越して...
服部之総 「尊攘戦略史」
...痺れがとれたらおれが闇雲に飛び出すのを見越して...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...この位のことは大丈夫と見越して...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...たぶん本官はこの忌々しい事件関連を全部見越していたと思うが...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「ギルレイ」
...キット俺が出席するのを見越して...
夢野久作 「少女地獄」
...近いうちに日支関係が緊張するのを見越して...
夢野久作 「焦点を合せる」
...最もよく未来を見越した芸術家に期待せねばならぬ...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...持駒に持つ見越しを読んでおかなければならない...
吉川英治 「随筆 新平家」
...見越しへ手をのばしてヒラリと跳(は)ね越え...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...ぼくらが兵隊山とよんでいた山の崖をうしろにして見越しの松に船板塀といった構えの住居であった...
吉川英治 「忘れ残りの記」
便利!手書き漢字入力検索