...この恐ろしい光景を見守るより外はございませんでした...
芥川龍之介 「地獄変」
...今もただじっと妹の顔を見守るよりほかに仕かたはなかった...
芥川龍之介 「春」
...絶えず興味深くじっと見守るように見えた...
有島武郎 「或る女」
...少し怪訝(けげん)そうに葉子のいつになくそわそわした様子を見守る青年をそこに捨ておいたまま葉子は険しく細い階子段(はしごだん)を降りた...
有島武郎 「或る女」
...此頃窕子はその若いあるじの僧のことを考へてゐることが著しく多くなつたのを自分でも不思議に微笑まるゝやうな心持でじつと見守るのだつた...
田山花袋 「道綱の母」
...何かある醜い夢がそのまま姿を掻消すのを見守るもののように...
チェスタートン Chesterton 直木三十五訳 「サレーダイン公爵の罪業」
...四つの足が一組になっていろいろ入り乱れるのを不思議に思って見守るのであった...
寺田寅彦 「旅日記から(明治四十二年)」
...それを見守る自己と...
豊島与志雄 「奇怪な話」
...冷やかにじっと見守るようになる...
豊島与志雄 「現代小説展望」
...依子の姿を見守るの外はなかった...
豊島与志雄 「子を奪う」
...お雪ちゃんはそう思って鳥の挙動を見守ると...
中里介山 「大菩薩峠」
...親分の動静を見守ることにしました...
野村胡堂 「悪人の娘」
...ウージェーヌはビアンションが見守る中でゴリオ爺さんと内密の話をした...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...凝然と露台の外を見守る...
林不忘 「若き日の成吉思汗」
...――私は驚いて大二郎の背中を見守るだけだつた...
牧野信一 「心象風景(続篇)」
...……でなければ俺には他人(ひと)の顔をそんなに凝つと見守る業は出来ないし! と彼は...
牧野信一 「籔のほとり」
...宏子は真心からの心配を弟を見守る目にあらわして云った...
「海流」
...小氣味好く見守る時はない...
室生犀星 「めたん子傳」
便利!手書き漢字入力検索