...戀しい寂しいものを見入るやうに...
鈴木三重吉 「女の子」
...瞳(ひとみ)凝らして見入るれば...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...すつかり変つたあたりの光景に不思議さうに見入るだらう...
薄田泣菫 「独楽園」
...写真に見入ると、それは健康な晴れやかな彼女ではなくて、病相の弱々しい淋しい彼女である...
豊島与志雄 「樹を愛する心」
...しみじみと梅花に見入る時...
豊島与志雄 「梅花の気品」
...筆を握って俺の方を見入る彼の眼は...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...田の畔(くろ)に腰をおろして、つくづく見入る...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...生駒は「いや全くいゝ男が一人ゐたよ」と鏡を見入る病ひが激しくなって来て...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...旅びとがおまへの雪のふつてゐる姿をどこか平原の一角から振りかへつてしみじみと見入ることができるまで...
堀辰雄 「辛夷の花」
...そしてそれが彼をして死に見入ることによって生がようやく分るような不幸な青年にさせていることを見抜かせたところの...
堀辰雄 「聖家族」
...思はずそれにうつとりと見入る風に運ばれてゐます...
堀辰雄 「プルウストの文體について」
...思い思いの恰好(かっこう)で自分の仕事のあとを見入る...
本庄陸男 「石狩川」
...高座をぶらぶらしながら見入る...
正岡容 「随筆 寄席風俗」
...写真を見入るように鏡に顔を寄せた...
室生犀星 「われはうたえども やぶれかぶれ」
...他の製作所では真似することは出来ないのだからそこに見入る屋敷とて当然なことは当然だとしても疑っているときのこととてその当然なことがなお一層疑わしい原因になるのである...
横光利一 「機械」
...と高徳はただその詩句のような文字に見入るばかりだった...
吉川英治 「私本太平記」
...「……似ている」高氏はじっと見入る...
吉川英治 「私本太平記」
...虹に見入る大人の顔は子供に近くなっている...
吉川英治 「随筆 新平家」
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