...俺の心の奧には俺の良心を裏切る樣々の慾望が常に動いてはゐなかつたか...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...にわか百姓の素性(すじょう)を裏切る重々しい椅子とで昼も小暗い父の書斎は都会からの珍客で賑わっていた...
有島武郎 「フランセスの顔」
...裏切ることは無い...
太宰治 「鴎」
...土佐の貧乏士族の子の雑煮に対する概念を裏切るような贅沢なものであった...
寺田寅彦 「新年雑俎」
...しかしそういう方法によって進歩して来た結果はかえってその方法自身を裏切る事になった...
寺田寅彦 「厄年と etc.」
...君の心の内に在るものが君の製作を裏切るんだろう...
豊島与志雄 「二つの途」
...一同を裏切ることになるもんだから……...
豊島与志雄 「街の少年」
...――又は仲間を裏切る心持になつて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...もし貴方が彼女を裏切るなら...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...この断言を裏切る瞬間があった...
エドガア・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「しめしあわせ」
...裏切る恐れがあるからだ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部秘話」
...われらを裏切るような人物ではありません...
本庄陸男 「石狩川」
...それは御信頼を裏切るおそばの者があって...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...彼女たちをもおのれ自らをも裏切るものである...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...あたしが裏切るとでもいうんですか」「裏切らないという証明がおできになれて」「あの方の命が危ないというときに...
山本周五郎 「風流太平記」
...裏切るような下種(げす)どもじゃござんせん」「じつは...
吉川英治 「新・水滸伝」
...しかし一向一揆の力は彼の予想を裏切るほどに強力であった...
和辻哲郎 「鎖国」
...しかもそこにすべてを裏切るある物の閃きがある...
和辻哲郎 「転向」
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