...だれからも働きのある行く末たのもしい人と思われながら...
有島武郎 「或る女」
...行く末というようなものが上(うわ)っ面(つら)へのぼって来たところであります...
中里介山 「大菩薩峠」
...惡人の行く末を見窮(みきは)め...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...思い余りし吾れの行く末美しい花をながめりや憂ひを忘る...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...行く末は長くはないと思える...
柳宗悦 「思い出す職人」
...だから行く末、もつと優れたものを創り出すことが出来よう...
柳宗悦 「和紙の美」
...行く末の事が些(すこ)しも間違いなく委(くわ)しく書いてあるので御座いますもの...
夢野久作 「白髪小僧」
...行く末の相談どころでなく...
夢野久作 「霊感!」
...子の行く末を意識に映(うつ)すとき...
吉川英治 「大岡越前」
...行く末は知れている」彼は...
吉川英治 「雲霧閻魔帳」
...和子さまの行く末大事と思うなれば」「おことばまでもなく...
吉川英治 「私本太平記」
...「行く末、信長の三女を娶(めあ)わそう...
吉川英治 「新書太閤記」
...かくては行く末大器となる質を可惜(あたら)盲愛のため親が弱めてしまうようなものですから...
吉川英治 「新書太閤記」
...どんな悪性の女子におなりなさるやら行く末のほどが案じられる」と...
吉川英治 「新書太閤記」
...気づかいなくいうがよい」「裏方の玉日様が……」「玉日が?」「お師さまの御流謫(ごるたく)の後は、和子様を護り育てて、青蓮院(しょうれんいん)の叔父君から名も範意(はんい)といただき、行く末は、お父君にもまさる名僧になれかしと、ひたすら和子様のお育ちをたのしみながら、また朝夕に、越後の空を恋い慕うておいでなされましたが、月輪様の御逝去やら、何かの憂(う)さが、積もられて、この冬、ふとお風邪(かぜ)をひいたが因(もと)となって――」そこまでいうと、万野(までの)はわっと、顔に袂(たもと)をおおって咽(むせ)び泣いてしまった...
吉川英治 「親鸞」
...兄弟子の弥五郎が、一刀流を立てたのだから、わしも一流を立てて、行く末は、巌流と称(とな)えるつもりだ...
吉川英治 「宮本武蔵」
...其許(そこもと)の心を疑うのではないが、このままで、どうなるのかと、行く末の身を、考えるのは、誰でものこと」「ではお光から、すべてのこと、お聞き取りでござろうが……...
吉川英治 「宮本武蔵」
...母も父の放埒な行状や家事の行く末にクヨクヨするのを忘れて...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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