...娘共は屹度何か調戯(からか)つて行き過ぎる...
石川啄木 「赤痢」
...掠めたように静かに行き過ぎるのも悪くはない...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...ちやうど動坂の方へ行かうとする電車の行き過ぎるのを待つて...
田中貢太郎 「水郷異聞」
...足を遅くして女の行き過ぎるのを待って歩いた...
田中貢太郎 「牡丹燈記」
...千駄谷(せんだがや)の凹地(くぼち)に新築の家屋の参差(しんし)として連なっているのが走馬燈のように早く行き過ぎる...
田山花袋 「少女病」
...この一点を少しでも行き過ぎると...
戸坂潤 「社会時評」
...何も知らずに通り一遍の会釈をして行き過ぎるだろう...
永井隆 「長崎の鐘」
...仙臺の市へ行くのであらうと思ふ荷馬車が繭を山のやうに積んで二臺三臺と埃を立てゝ行き過ぎる...
長塚節 「旅の日記」
...知らぬ顔をして行き過ぎると穴から手を出して捕(とら)まえそうに烈(はげ)しい呼び方をする...
夏目漱石 「京に着ける夕」
...撓(しな)わしたりして行き過ぎるのが何より愉快だった...
夏目漱石 「満韓ところどころ」
...それが行き過ぎるまでと思つて坐つてゐた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...画図の行き過ぎるまで額を垂れ...
ホーフマンスタール Hugo von Hofmannsthal 木下杢太郎訳 「チチアンの死」
...誰(たれ)もちよいと振(ふ)りかへつたまゝでそゝくさ行き過ぎるのが...
水野仙子 「冬を迎へようとして」
...行き過ぎる敵をうしろから斬っては...
三田村鳶魚 「話に聞いた近藤勇」
...逆に国家を軽視する立場が極端に行き過ぎると...
矢部貞治 「政治学入門」
...市街戦の行われたことを響かせながら行き過ぎる...
横光利一 「上海」
...行き過ぎるボートの中からもアンリエットの歌に合せて低く唄うものがあった...
横光利一 「旅愁」
...二つい、行き過ぎると、山伏はふたたび、「坊主、耳がないのか」性善坊は聞きとめて、「何?」思わずむっとした顔いろをして振りかえった...
吉川英治 「親鸞」
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