...ひどく家産を蕩尽(とうじん)してしまったが...
ワシントン・アーヴィング Washington Irving 吉田甲子太郎訳 「幽霊花婿」
...とうとう家産を蕩尽(とうじん)して...
芥川龍之介 「捨児」
...残りの財産を蕩尽(とうじん)してしまった...
田中貢太郎 「指環」
...人形を愛するあまりには家産を蕩尽(とうじん)するのは愚か...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...大八州国(おおやしまのくに)のどこかの浦べを襲って少なからざる人畜家財を蕩尽(とうじん)したようである...
寺田寅彦 「日本人の自然観」
...乃ち之れを政治上に於て蕩尽するも亦憾みなしと...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...パリーが使い道のない大小の才能をやたらに蕩尽(とうじん)してることを見出したのであった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...家産を蕩尽(とうじん)した後一生を旅寓に送った奇人である...
永井荷風 「向嶋」
...死んだシャプリッツキイね――数百万の資産を蕩尽(とうじん)して...
プーシキン Alexander S Pushkin 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...残余の生涯と財産の全部をチャアリイの捜索に蕩尽(とうじん)して...
牧逸馬 「チャアリイは何処にいる」
...オーバコートを拵へる為に母から貰つた金を蕩尽して了つたので...
牧野信一 「スプリングコート」
...家財を蕩尽して――...
牧野信一 「父の百ヶ日前後」
...尤もそのころ最早私の家も亦祖父が不正無尽の会社に関与して家財を蕩尽し...
正岡容 「異版 浅草燈籠」
...かつてここに遊びたる紳商某は足再びその室を出でずして鉅万(きょまん)の産を蕩尽(とうじん)したる事あり...
正岡子規 「四百年後の東京」
...十四年一日のごとく私財を蕩尽(とうじん)して遣(や)って居るに...
南方熊楠 「十二支考」
...その豪遊を肆(ほしいまま)にして家産を蕩尽(とうじん)したのは...
森鴎外 「渋江抽斎」
...祖父の死後秋三の父は莫大な家産を蕩尽して出奔した...
横光利一 「南北」
...王子はこれらの永年の探検に財産を蕩尽し...
和辻哲郎 「鎖国」
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