...それは窓ごとに火かげのさした十二階の聳(そび)えているために殆(ほとん)ど荘厳な気のするものだった...
芥川龍之介 「本所両国」
...その荘厳な光景に対して水夫が感激を感じた以上は...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...婚礼の儀式へ臨むような荘厳な花聟の衣裳をラザルスに着せた...
レオニード・ニコラエヴィッチ・アンドレーエフ 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...荘厳な儀式を行いつつあった...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...以上二つの旧知の名が、端なく我が頭脳(あたま)の中でカチリと相触れた時、其一刹那、或る荘厳な、金色燦然たる一光景が、電光の如く湧いて自分の両眼に立ち塞がつた...
石川啄木 「葬列」
...もつと荘厳な幾何学者...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...始めて綜合的客観詩人の徐(おもむ)ろに荘厳なる美術的伽藍(がらん)を築き来たらんとするにはあらざるか...
綱島梁川 「国民性と文学」
...美しい店々や荘厳な事務所が一列に並んでいる...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「赤毛連盟」
...否それほど荘厳な人間の姿を見たことはなかった...
豊島与志雄 「楠の話」
...それゆえ著者はもっとも高い神聖な荘厳な目標をめざしたい...
ユゴー・ヴィクトル Hugo Victor 豊島与志雄訳 「死刑囚最後の日」
...恐ろしいがしかし荘厳な趣である...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...ここでやがて行なわれんとする自滅は荘厳なものである...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...実際現在の東京中(じゅう)には何処(いずこ)に行くとも心より恍惚として去るに忍びざるほど美麗なもしくは荘厳な風景建築に出遇(であ)わぬかぎり...
永井荷風 「日和下駄」
...さらにダンテやミルトンの荘厳な神曲叙事詩と...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...通常業務で一般に出会うことはないでしょう」第十四章詩人が気のむくまま荘厳な英国屋敷を称賛するとき...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「玉手箱」
...臨終ほど荘厳なものはない...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...そこでワリニャーニは会堂のために荘厳な定礎式をあげた...
和辻哲郎 「鎖国」
...食いしばった唇を取り巻く荘厳な筋肉の波...
和辻哲郎 「ベエトォフェンの面」
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