...駈け足だッ」私達二人は夢中で草深い坂道を駈けあがりました...
海野十三 「崩れる鬼影」
...彼等はとうとう二里余りも堤防の草深い闇をふんで越の渡し場まで来た...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...この草深い田舎の生活を棄てて私は東京へ出て来ました...
橘外男 「棚田裁判長の怪死」
...草深い田舎の百姓家でも同様であって...
谷崎潤一郎 「陰翳礼讃」
...僕の家なんか草深い百姓家で...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...○東葛飾(ひがしかつしか)の草深いあたりに仮住(かりずま)いしてから...
永井荷風 「草紅葉」
...江戸の北の草深いところに...
久生十蘭 「平賀源内捕物帳」
...草深い療養所で送つたその月日は余りにも彼自身には深刻な...
北條民雄 「月日」
...その一つはある草深い田舎の古びた水車小屋の二階であつた...
牧野信一 「書斎を棄てゝ」
...何処へ出るにも馬の背を借りずには街の灯も見ることも許されぬ人煙稀なる草深いところに...
牧野信一 「夜見の巻」
...停車場の柵沿いにすぐ畑へぬけている瀧子のすきな草深い小道である...
「鏡の中の月」
...この草深い自分の家で書くこともまた...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...しかし面白い遊びといッたところがこの草深い田舎では,五節句...
矢崎嵯峨の舎 「初恋」
...いかに草深い所の百姓でも...
吉川英治 「江戸三国志」
...――初めは草深いあなたから...
吉川英治 「江戸三国志」
...左は草深い一面の原...
吉川英治 「剣難女難」
...いまのような草深い田舎にすみ...
吉川英治 「新書太閤記」
...まさか草深い配所に...
吉川英治 「源頼朝」
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