...雑草とりをするように草の根もとをよくしらべて見ればね...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...草の根もとに金の釵(かんざし)が一つ光っていた...
蒲松齢 田中貢太郎訳 「王成」
...木の根草の根にも心を置かれる御身分として...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...いろいろの草の根の張り方にそれぞれ相違のある事にも気がつく...
寺田寅彦 「路傍の草」
...実際、草の根がとれて、手が放れたり、足が岩の切り角から辷(すべ)ったりして、もうしまったと思ったことも、一度や二度ではなかったよ...
コナン・ドイル 三上於莵吉訳 「空家の冒険」
...冬枯れの草の根の様にうっとりとして横になって居た...
豊島与志雄 「文学以前」
...夜となく日となく草の根を分けている際ですから...
中里介山 「大菩薩峠」
...深く草の根に籠(こも)って...
夏目漱石 「草枕」
...お孃さん!寄生蟹のうた潮みづのつめたくながれて貝の齒はいたみに齲ばみ酢のやうに溶けてしまつたああここにはもはや友だちもない 戀もない渚にぬれて亡靈のやうな草を見てゐるその草の根はけむりのなかに白くかすんで春夜のなまぬるい戀びとの吐息のやうです...
萩原朔太郎 「青猫」
...警視庁でも草の根を分けてその行方を尋ねていたのですが...
久生十蘭 「魔都」
...草の根が三つの骨に巻き付いて離れず...
南方熊楠 「十二支考」
...そして本質においては反人民的な勢力のスポークス・ウーマンとなりつつあるとき、小池富美子の自然発生の生のたたかいが、岩をめぐり、草の根にしみて、より高い人民的なものに成長しはじめていることは、意義ぶかい現実である...
宮本百合子 「あとがき(『宮本百合子選集』第十五巻)」
...冬は草の根を掘って食べたが...
柳田国男 「山の人生」
...二人は川の近くに洞窟(どうくつ)をみつけ、鳥や魚や、草の根、木の実など、喰べられそうな物をできる限り集めた...
山本周五郎 「さぶ」
...万三郎の言葉など、まったく聞いていなかったかのように、日のいっぱいに当っている斜面へ近寄り、枯草の根の土を、きれいな指で掻(か)き分けながら、なにやら青い草の芽のようなものを摘み採った...
山本周五郎 「風流太平記」
...ありますとも、なお喰おうとすれば、草の根でも、土でも」「ウむ、む……」と、笑(え)み頷(うなず)いて、「麓(ふもと)の者共も、みな元気か」「されば、ひとりだに、退屈しているものはございません...
吉川英治 「上杉謙信」
...草の根や木の実を喰ろうておりまする」「ふーム……...
吉川英治 「宮本武蔵」
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