...彼に與へられる外來の刺戟が殆んど彼を外に向はせるもののみなことを苦々しいと思つた...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...嫉妬(しつと)などの徹骨の苦々しい情が...
田山花袋 「重右衛門の最後」
...そんな苦々しい思い出ばかりが湧(わ)いてくる...
徳永直 「冬枯れ」
...しかも苦々しい凡庸(ぼんよう)な卑賤(ひせん)なものまでも...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...これは違った」苦々しい面(かお)をしていると...
中里介山 「大菩薩峠」
...こんな苦々しい醜態を...
中里介山 「大菩薩峠」
...そんな剣呑(けんのん)な思いまでして借りる必要もあるまいからね」健三は苦々しいうちにも滑稽(こっけい)を感じた...
夏目漱石 「道草」
...お染はどんなに苦々しい心持で見ていたことでしょう...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...いかにも苦々しいと言つた調子です...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...甘く見すぎたという苦々しい後悔の色が浮かんでいた...
久生十蘭 「地底獣国」
...側(はた)から見たら嘸(さぞ)苦々しい事であったろう...
二葉亭四迷 「平凡」
...苦々しい氣持で――失望に蝕(むしば)まれ...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...どす黒い苦々しい疑惑が浮かんでいた...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「鉄面皮」
...苦々しいですが、上流階級の人々が自家用車を乗り回し、手慰(てなぐさ)みに浪費するお金のおかげで、生活がまかなえます...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「煉獄」
...お皿一枚!」日下部太郎は、苦々しい顔をし、黙って箱を持って立ち上った...
宮本百合子 「伊太利亜の古陶」
...あまりに苦々しい態度だと譏(そし)る女たちもあった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...軍医大佐は苦々しい顔をしたまま私を身近く招き寄せた...
夢野久作 「戦場」
...苦々しい奴だと思っている筆者を皆して引っぱって...
夢野久作 「ビール会社征伐」
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