...その陰に椴松(とどまつ)や蝦夷松(えぞまつ)の芽ばえが出る...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...少なくともこの方の土には邪悪な植物――呪うべきホップや葡萄が一度も芽ばえ……」論争がこの重大な瞬間に達したその時であつた……いつもきまつて論争の嵐の中で嵐の前ぶれになる男...
G・K・チェスタートン G. K. Chesterton 村崎敏郎訳 「手早い奴」
...そうしてさらに次にきたるべき時代への希望と憧憬(どうけい)といったようなものが封建期の子供らの頭の中に勢いよく芽ばえ始めたのであった...
寺田寅彦 「野球時代」
...小さな芽ばえでもたんねんに抜いてそこらに捨ててある...
寺田寅彦 「路傍の草」
...ここにも軽い意味において超現実派の芽ばえがあるといえるのである...
中井正一 「美学入門」
...いかなる草の芽ばえともわからぬものが二...
永井荷風 「枇杷の花」
...一点の増上慢心の芽ばえが悪いのでございます...
中里介山 「大菩薩峠」
...芽ばえでないということはございません...
中里介山 「大菩薩峠」
...わがたましひは芽ばえ光をかんず...
萩原朔太郎 「決鬪」
...そのなかで或像(すがた)の芽ばえてゐる窓...
ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 堀辰雄訳 「窓」
...芽ばえてゆく不断の春の...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...明治十年代から微かな自覚となつて芽ばえ始めた...
水野葉舟 「言文一致」
...恋しい心の芽ばえていることなどは気恥ずかしくて言い出せなかった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...庶民の中に芽ばえ...
吉川英治 「折々の記」
...何か未来の芽ばえを感じ...
吉川英治 「新書太閤記」
...初期の文化的知性の芽ばえしか出ていない...
吉川英治 「宮本武蔵」
...芽ばえては困ると思うんです...
レスコーフ Nikolai Semyonovich Leskov 神西清訳 「真珠の首飾り」
...私はそういう愛の芽ばえが力強く三月の土を撞げかかっているように感ずる...
和辻哲郎 「転向」
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