...あの女の多情な性質は、考えただけでも、腹立たしい...
芥川龍之介 「偸盗」
...そのTの名前に対するチョイチョイした軽侮が私にはだんだん悲しいような腹立たしいような気持になってきたのです...
伊藤野枝 「成長が生んだ私の恋愛破綻」
...そしてまた僕自身の頭の古さが腹立たしいやらであった...
海野十三 「海底都市」
...俺にとっていかにも腹立たしいものだった...
高見順 「いやな感じ」
...と彼はわびしいよりむしろ腹立たしい氣持ちで支配人に言ひつけた...
太宰治 「陰火」
...今日は何だか腹立たしい...
太宰治 「諸君の位置」
...恋いしさが募(つの)れば募るほど、なんやかやと話しかける夫がうるそうて、腹立たしいて、ろくさま返事もせんと一日ふさぎ込んでましたよって、その時からもう夫の方は一ぺん懲(こ)らしてやらんならんと考えたらしいのんです...
谷崎潤一郎 「卍(まんじ)」
...かうして生きてゐてどうなるのか、どうすればよいのか、今更のやうに、自分の無能無力が悲しかつた、腹立たしい...
種田山頭火 「其中日記」
...自分の欠点が嫌というほど眼について腹立たしい気分になるので...
種田山頭火 「白い路」
...腹立たしい気持だつた...
田畑修一郎 「鳥羽家の子供」
...これがにがにがしければすべての「宗教」はやはりにがにがしく腹立たしいものでなければならない...
寺田寅彦 「柿の種」
...考へるだけでも腹立たしい運命の皮肉である...
萩原朔太郎 「室生犀星に與ふ」
...そんなに腹立たしいのだろうか……...
林芙美子 「新版 放浪記」
...また腹立たしいともおもいはしなかった...
正岡容 「小説 圓朝」
...何日にかえるでは行ったっておちおちしなくて腹立たしい...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...我身ながら恥かしくて腹立たしいような気がしたのであった...
夢野久作 「暗黒公使」
...どじな奴め」と人知れず腹立たしい舌打ちをしたことである...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...むしろ腹立たしいのだという風に思おうと努める...
ルナール Jules Renard 岸田国士訳 「博物誌」
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