...肥えた男の人間です...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...肥えた医者の代りに...
薄田泣菫 「茶話」
...」こう思って妻の肥えた体を見たことも一度や二度ではなかった...
田山花袋 「トコヨゴヨミ」
...405肥えたる羊...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...上等の肥えた土を進上しましょう...
豊島与志雄 「蓮」
...それらの若いよく肥えた顔の赭い女達は...
原民喜 「霧」
...そして今では地味の肥えた所となって...
ナサニエル・ホーソン Nathaniel Hawthorne 三宅幾三郎訳 「ワンダ・ブック――少年・少女のために――」
...部長は原稿に肥えた眼を通し...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「四日白魔」
...何事ならんと頭を擡(もた)げて見れば前の肥えたる曹長にはあらで髯(ひげ)のむさくるしき一人の曹長が余ら一行の居場を縮めよと命ずるなり...
正岡子規 「従軍紀事」
...その音声その語調は牛頭馬頭(ごずめず)の鬼どもが餓鬼を叱るもかくやらんとばかりに思はれてなかなかに前の肥えたる曹長をやさしく覚(お)ぼえ初めぬ...
正岡子規 「従軍紀事」
...肥えたる田畠を浸すがごとく...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...丸々と肥えた膝頭をついて...
矢田津世子 「女心拾遺」
...初めのころより肥えたらしく...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...肥えた若者が喚いた...
山本周五郎 「花も刀も」
...肥えた、背丈の低い、精悍(せいかん)な躯つきだし、眉の太い、眼や口の大きな顔にも、商人というには逞(たくま)しすぎる、重厚な、つらだましい、といったものが感じられた...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...四十年配の肥えた侍があらわれ...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...よく肥えた秋三の母のお留は古着物を背負って...
横光利一 「南北」
...土肥は、どこへ行ったのか」虚勢を抜いて、彼らが、気のついたころには、土肥庄次郎は、その肥えた体を、鈍々(どんどん)と足早にすすめて、健吉とよぶ侍の後を追っていた...
吉川英治 「松のや露八」
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