...」といいながら又懐中洋燈(ランプ)を点じてそれを高く翳(かざ)して隈なく四辺を見回した...
江見水蔭 「月世界跋渉記」
...今日でこそ舞台の上でしか見られない特殊な陰翳の世界であるが...
谷崎潤一郎 「陰翳礼讃」
...今日も眼の縁の翳(かげ)りが昨日ぐらいに目立っていた窶(やつ)れた顔...
谷崎潤一郎 「細雪」
...翳ったその顔には両眼がただならず輝いていた...
チェスタートン Chesterton 直木三十五訳 「サレーダイン公爵の罪業」
...過剰の翳を帯びてくる...
中井正一 「過剰の意識」
...娘どもの姉分になって貰おうと思っているよ」「旦那の御配偶は?」「ないよ」跡部満十郎の顔はちょっと翳(かげ)りました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...今までの打ちとけた艶容(えんよう)が改まつて翳つた青い眉...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...何か凍(い)てついた暗雲のようにいつも心を翳(かげ)らせている...
原民喜 「秋日記」
...長い睫毛(まつげ)がなかば彼女の眼を翳してゐる...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...それとこれとに一味通じあった一種の翳(かげ)りのようなもののあるためかともおもえるような...
堀辰雄 「「美しかれ、悲しかれ」」
...いましがたまで室内にどこといふことなしに差し込んでゐた日が急に翳つてしまつたためか...
堀辰雄 「生者と死者」
...黒い翳(かげ)が顔を流れた...
本庄陸男 「石狩川」
...慌しげにガサガサと両手を揉みながら翳した...
牧野信一 「公園へ行く道」
...陰翳を味わう能力を増すといわれているありきたりな概括にまで思い及んだのであるが...
宮本百合子 「芸術が必要とする科学」
...両度秋期無片翳...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...新九郎が翳(かざ)しかけてくれた傘に身を入れて...
吉川英治 「剣難女難」
...道傍(みちばた)へ提灯を翳(かざ)して咎めた...
吉川英治 「松のや露八」
...権之助が頭上へ横に翳(かざ)した杖は...
吉川英治 「宮本武蔵」
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