...併し創造の脈搏緩かな時...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...緩かに歩(あし)を境橋の方に移したりしに...
石井研堂 「釣好隠居の懺悔」
...煙はすうつと立つて、緩かに亂れて、机の上の眞白な洋燈の笠に這ひ纒つた...
石川啄木 「我等の一團と彼」
...それを準備する緩かな變化やまたその後に來る急激な變化と同じやうに...
ピョートル・アレクセーヴィチ・クロポトキン Pyotr Alkseevich Kropotkin 大杉栄訳 「革命の研究」
...谷川が音を立てゝ緩かに流れてゐるのも...
田山録弥 「山間の旅舎」
...その中を導いて緩かに流して来た水を急転下させてタービンを動かすのである...
寺田寅彦 「雨の上高地」
...一分一秒はひどく緩かに...
豊島与志雄 「沼のほとり」
...神社か、神官の家か、または個人の邸宅か、それは分らなかったが、みそぎ祓いでもしているのであろうか、ドーン、ドーン、と初めは緩かに、それから次第に急に、ドンドン、と続き、それが三度ばかり繰り返されるのである...
豊島与志雄 「広場のベンチ」
...時たま感じ得るやうな緩かな淡い哀愁の情味を...
永井荷風 「勲章」
...山脚赤城の如く緩かならず自ら雄偉の姿を缺くと雖...
長塚節 「草津行」
...緩かなる流水の歌を聴き...
中谷宇吉郎 「詩人への註文」
...結晶を緩かに生長させた時に...
中谷宇吉郎 「雪」
...私の船はその間を緩かに進んで行つた...
「修道院の秋」
...武士道は斜面緩かなる山なり...
新渡戸稲造 「武士道の山」
...其顔色を和らげ其口調を緩かにし...
福沢諭吉 「新女大学」
...船はゐながらで緩かに搖れて...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...姉妹達の緩かな行列に續かれて...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
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