...葉子としては結句それがめんどうがなくっていいとも思った...
有島武郎 「或る女」
...……数へ来れば幾等(いくら)もあるが、結句、田島校長=0(エクオールゼロ)といふ結論に帰着した...
石川啄木 「雲は天才である」
...結句それが、靜子にとつては都合がよかつた...
石川啄木 「鳥影」
...結句院長の廻診より...
泉鏡花 「婦系図」
...お鳥は札幌以來却つて結句(けつく)安心なことにしてゐた...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...全編の結句になるべき一行をさえ思いついた...
ツルゲーネフ 神西清訳 「はつ恋」
...宴会が結句割徳(わりどく)の安上りと胸算用(むなざんよう)して出席する下賤(げす)もあり...
永井荷風 「桑中喜語」
...然しこの機縁から大島氏の好意と親切が長く吾々の身体を温めてくれる記念と思えば結句有難い思い出になる...
中里介山 「百姓弥之助の話」
...知らぬ人でわかれるから結句(けっく)日本橋に立って...
夏目漱石 「草枕」
...結句ない方がましかも知らねど...
二葉亭四迷 「小説総論」
...次に「梅かをる朝」といふ結句(けっく)は一句としての言ひ現はし方も面白からず...
正岡子規 「墨汁一滴」
...しかるに病鶴は一首の初め一寸置かれて客たるべき梅の香が結句に置かれし故尻軽くして落ちつかぬなり...
正岡子規 「墨汁一滴」
...胸は苦しし遂に結句だけ書かずにしまった...
正岡子規 「病」
...結句一人で氣長にやつた方がいゝから...
水野仙子 「四十餘日」
...結句(けっく)おれも気楽にお仲間入りができるというもの...
吉川英治 「江戸三国志」
...客に見せて、金を惜しんだように思われぬようにな』棟梁は、こういう見栄坊な普請主(ふしんぬし)が、結句、お花客(とくい)にはなるので、云われる通りに、すぐ材木屋の手代をよんで板を返した...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...痛い思いをした上で白状するのも、今のうちに正直に泥を吐いてしまうのも、結句は同じだが、神妙に云わぬからには仕方がない』『……助けて下さいっ...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...結句わたしも、ドロシーダと同じような縞服の女になって行ったのです...
レスコーフ Nikolai Semyonovich Leskov 神西清訳 「かもじの美術家」
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