...柵の頭(かしら)の尖端々々(とがり/\)には...
石川啄木 「葬列」
...朽ちてゆく『時』の端々を取逃すまいとするかのやうに...
薄田泣菫 「喜光寺」
...春琴は佐助と夫婦らしく見られるのを厭(いと)うこと甚(はなはだ)しく主従の礼儀(れいぎ)師弟の差別を厳格にして言葉づかいの端々(はしばし)に至るまでやかましく云い方を規定したまたまそれに悖(もと)ることがあれば平身低頭して詑(あや)まっても容易に赦(ゆる)さず執拗(しつよう)にその無礼を責めた...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...午後三時頃の温かい光線が衰弱した神経の端々まで沁みわたって...
種田山頭火 「夜長ノート」
...言葉の端々にまで現はれて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...小柄で色白で、中高(なかだか)の顏、大きい眼、何處までも知的で、透明でそしてイヤ味のない女ですが、世馴れた三十女らしく、言葉の端々、身じろぎの節々に、得も言はれぬ魅力――色つぽさとは又違つた高貴な匂ひの漂(たゞよ)ふ女でした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...金属的な黄色い声の端々(はしばし)に...
火野葦平 「花と龍」
...遠く村の端々まで拡がつた流しの唄を時々耳に止めながら...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...言葉の端々に苦痛と軽蔑が表れていた...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「煉獄」
...弘い国土の端々に亙(わた)って...
柳田国男 「海上の道」
...霜月粥と塩このあとに日本の端々(はしばし)...
柳田国男 「海上の道」
...いつとなく田舎の端々(はしばし)にまで広がって...
柳田国男 「年中行事覚書」
...東北地方も端々の方へ行くと...
柳田国男 「年中行事覚書」
...それがもうこのような端々の土地にしか残っていないのは...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...言葉の端々(はしはし)でよくわかった...
夢野久作 「鉄鎚」
...一柳斎から「世間識(し)らず」扱いにされた言葉の端々(はしばし)が気にかかって...
夢野久作 「斬られたさに」
...言葉つきの端々(はしばし)に到るまでも...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...疲れ切った神経の端々に...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
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