...君の詞の端々を聞きて...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...聞いてゐる赤染衞門も和泉式部の僞りなき心の端々に思ひ至つてみると...
今井邦子 「誠心院の一夜」
...表情や言葉の端々(はしばし)にも見て取ることが出来た程で...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...金色の眺めの端々はそれぞれに暗黒へと沈んだ...
C. スミス C. Smith The Creative CAT 訳 「いえ、いえ、ラゴーフにはもう!」
...女房、童の端々にまで、そのやうに人知れぬ厳粛のお心づかひをなさつて居られたほどのお方でございますから、幕府の御重臣や御家人を大事になさることもまた、ひとかたでなく、諸人ひとしくその厚いお恵みに浴し、このお若い将軍家になびきしたがふこと、萱野の風になびくさまにも似て、まことに山よりも高く海よりも深き御恩徳の然らしむるところとは言へ、その御勢力の隆々たるさまは、御父君右大将さまにもまさる心地が致しました...
太宰治 「右大臣実朝」
...午後三時頃の温かい光線が衰弱した神経の端々まで沁みわたって...
種田山頭火 「夜長ノート」
...町の端々から通りといふ通りは...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...遠く村の端々まで拡がつた流しの唄を時々耳に止めながら...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...宇津は注意深く老人を眺めながら、何の気もなく行ふ一つびとつの動作の中にも、言葉の端々にも、過去の生活が決して卑俗なものでなかつたに違ひないと思はれる、品位といつたものを発見した...
北條民雄 「間木老人」
...国の端々(はしばし)に散らばって住む者は...
柳田国男 「海上の道」
...霜月粥と塩このあとに日本の端々(はしばし)...
柳田国男 「海上の道」
...時々は思い出した端々を人に話すことができるというのは...
柳田国男 「故郷七十年」
...どうか御容赦を」言葉の端々に滲み出る妻への愛情...
山本周五郎 「おもかげ抄」
...その端々、隅々から赤や、青や、茶色の焔がポーッと燃え上るたんびにそこいら中が明るくなって、又、前にも増した暗黒を作って行く物すごい光景を、薄板工場の中から湧き起るケタタマシイ雑音の交錯が伴奏しつつ、星だらけの霜の夜を更けさせて行く...
夢野久作 「オンチ」
...草川巡査の神経の端々を組んず...
夢野久作 「巡査辞職」
...言葉つきの端々(はしばし)に到るまでも...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...端々の仕(つか)え人(びと)から「闖入(ちんにゅう)の検断所兵も早や俊基一名をからめ捕って立ち去りました」と聞くと...
吉川英治 「私本太平記」
...ところで作者(わたくし)はよくものしり顔に古書の端々を引きあいにもちだすが...
吉川英治 「私本太平記」
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