...」と博士の眼の前に右の掌面(てのひら)を突き出した...
薄田泣菫 「茶話」
...父はその衣を両手で捧げるようにして滋幹の前へ突き出したが...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...板廂(いたびさし)を広く突き出し...
直木三十五 「南国太平記」
...臆面(おくめん)もなく面(かお)を突き出して...
中里介山 「大菩薩峠」
...あなたがあの看護婦といっしょに団扇(うちわ)を持って立っていたのは」二人のいる所は高く池の中に突き出している...
夏目漱石 「三四郎」
...品吉の前に突き出しました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...右の方へ突き出している白梅の柄が真名古のズボンの股のあたりに引ッ掛って...
久生十蘭 「魔都」
...すると村瀬は太い親指を鼻先に突き出し...
本庄陸男 「前夜」
...頤を突き出して私を差した...
牧野信一 「環魚洞風景」
...且つ寝呆けた一個の「嘘を吐いた面」を突き出した...
牧野信一 「疑惑の城」
...倉田や流山がその役目を務めたがつてゐるといふことだつたが「この二人はね……」と百合子は彼等の眼の前に憎々顔を突き出して嗤ふのであつた...
牧野信一 「女優」
...互に腕を突き出したり...
牧野信一 「泉岳寺附近」
...もういっそう手ひどいのになると私が喋っている舞台のところへ大きく顔を突き出してきて楽屋のほうを覗き込み...
正岡容 「わが寄席青春録」
...突き出した抜身越しにすかして見る...
三好十郎 「天狗外伝 斬られの仙太」
...やはり紫と錦との鋭い疣が一面にぐりぐり生えた大きな肉片が唾液にだら/\滑りながら唇から突き出して居る...
村山槐多 「悪魔の舌」
...ヒョックリと顔を突き出したではありませんか……...
夢野久作 「キチガイ地獄」
...槍をそろえて突き出して来た...
吉川英治 「新書太閤記」
...鼻を左右に突き出しながら嗅(か)いでみる...
ルナール Jules Renard 岸田国士訳 「博物誌」
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