...彼の言葉は空疎で、説得力がなかった...
...彼女の考えは空疎だと感じた...
...空疎な話はしないで、具体的な方法を考えよう...
...彼女は空疎な冗談で皆を笑わせた...
...空疎な批評では問題を解決できない...
...そして其の偏狹と淺薄との爲めに彼等の趣味がます/\貧弱空疎に流れ行くのである...
會津八一 「趣味の修養」
...あるいは辰子ほど空疎な理想に捉(とら)われていないと言う優越だった...
芥川龍之介 「春」
...空疎な論争もしなければ...
ジェイムズ・アレン James Allen 大久保ゆう訳 「朝に想い、夜に省みる」
...華麗のみにて内容空疎の装飾様式...
太宰治 「女生徒」
...背景のない論議ほど空疎でそして崩落し易いものはない...
田山録弥 「J. K. Huys Mans の小説」
...何うも感じが空疎になつて困る...
田山録弥 「充實した文章」
...又哲学が科学の取り扱うに適わしいような事実から純粋となることによって実は空疎にして不毛な思弁としてしか見出されない時...
戸坂潤 「科学方法論」
...国粋ファシストの道徳意識に於て極めて空疎な粗雑さを感じる人は...
戸坂潤 「思想としての文学」
...空疎で絢爛なのだ...
豊島与志雄 「現代小説展望」
...」力強いが然し感情の空疎な笑いかただった...
豊島与志雄 「死の前後」
...その精神的卑怯(ひきょう)さと空疎な言辞とを...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...腹の空疎な軽い感じだけが...
豊島与志雄 「立枯れ」
...誰でもないことは空疎を意味する...
豊島与志雄 「文学に於ける構想力」
...見事にその空疎を暴露したのである...
平林初之輔 「文学の本質について(一)」
...空疎な、……絶えがたい寂莫な自然の姿だ...
水野葉舟 「遠野へ」
...女性がとかく陥り易い空疎な主義や殉情的な甘さから脱して...
宮本百合子 「概念と心其もの」
...したがってどんな空疎なる立論をも可能にしたことであろうが...
柳田国男 「海上の道」
...「甲斐はまえに、すべて事実無根だと云い、いまも同様にしか云えぬという、だが、あのときから今日まで、家中にはいろいろと穏やかならぬ事が起こっている、おれに対する幕府の譴責(けんせき)が、兵部と酒井侯の通謀によって作られたように、この三年間に起こった家中の紛争も、やはり兵部の手で操られ、兵部の望む方向へと動かされている、甲斐がいかに事実無根だと申しても、現にそれが事実としてあらわれていることは否定できまい」「私は酔ったようでございます」と甲斐は盃を置き、両手で顔を押えて、その手を膝(ひざ)におろしながら云った、「酔って申上げることですから、ごきげんに障ったらお許しを願いますが、ただいま仰せられたようなことは、殿が御心痛あそばすべきことではございません、まして、軽がるしく人の名をあげ、臆測に類することをお口に出されることこそ、却って御家の内に不穏の種を蒔(ま)くことになります」「その意見もまえに聞いたぞ」「六十万石の家中となれば人も多く、ことに、強情と我意の強いのはお国ぶりですから、他の藩中とは違って、些細(ささい)なことから紛争が起こりがちです、けれども、いざ御家の大事となれば、いずれも身命を賭(と)して御奉公する覚悟にまぎれはありません」「それは言葉だ、甲斐が当座に云う言葉にすぎない」「私の申上げることをお聞き下さい」「たくさんだ、そんな空疎な、言葉だけのものは聞きたくない」と綱宗は云いきった...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
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