...(四年秋)三 去年の日記から1晝寢から醒めて寂しい、空しい、落付かない心持になる...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...形而上的生活の如きは空しい...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...内容の空しいのを知らない樣な理想家ではない...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...青銅のように自分の形を固持する形式ではなくして封蝋のように空しい質料が夫である...
戸坂潤 「性格としての空間」
...ただ静かな晴々とした空しい世界だ……...
豊島与志雄 「或る男の手記」
...あたかも彼の空しい魂の中に生ける神が飛び込んできたかのようだった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...その空しい両腕で彼は枕にしがみついた...
豊島与志雄 「蘇生」
...寂しい空しい心地でまた帰ってくると...
豊島与志雄 「反抗」
...空しい中にただ一つ...
豊島与志雄 「反抗」
...私は何と云ふべきであらう? あゝ時宜(じき)を得た滿足な答へを思ひつかせてくれるやうな妖精(スピリット)はゐないのか! 空しいのぞみ! 西の風は私の周圍の常春藤(アイヴイ)に囁いたけれどどの優しいエイリエル(妖精の一つ)も言葉の仲介物としてその息を貸してはくれない...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...空しい目を上げて...
堀辰雄 「曠野」
...すべては空しいとは誰が言つた?あなたの傷つけた小鳥だつて...
ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 堀辰雄訳 「或女友達への手紙」
...おそらく彼等は彼等の生を空しい或は辛い夢(そのために彼等は何時も餘計に疲れたやうに...
堀辰雄 「色褪せた書簡箋に」
...忘られてしまふ……そんな空しいやうな美しさのあるところが...
堀辰雄 「夏の手紙」
...空しい約束で――...
牧野信一 「川を遡りて」
...それは空しいエロ風景だな...
牧野信一 「南風譜」
...私のこの空しい努力はいつも果されなかった...
室生犀星 「幼年時代」
...眼に見えぬ彼ルパンは空しい大捜索の幾日間を...
モーリス・ルプラン 菊池寛訳 「奇巌城」
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