...それゆえわれわれは彼の光りと熱とのめぐみをそれに相応する信頼と心のひろさをもって受けるべきである...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...ですから花やかなけしきを眺めるよりも淋(さび)しい風物に接する方が慰められ現実の逸楽をむさぼるかわりに過去の逸楽の思い出にふけるのがちょうど相応するようになるのではありますまいか...
谷崎潤一郎 「蘆刈」
...しかし映画の観客は各自の想像によってそれぞれの映像に相応する質量を付加し割り当てながら見て行く...
寺田寅彦 「映画の世界像」
...やはり海陸風に相応する風の弛張(しちょう)が認められない事はないのである...
寺田寅彦 「海陸風と夕なぎ」
...そしてこの段階は歴史的原理の承認の程度に相応するのである...
戸坂潤 「イデオロギー概論」
...近代の哲学の大勢が何と云っても観念論の課題の外へ出なかったという事実に相応するのであって...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...だが夫にも拘らずそうした積極的な内容を持つ世界知識又は世界認識に相応するものとして...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...夫が自分に相応する感覚内容(センス)によって充実されない限り...
戸坂潤 「思想としての文学」
...理論的認識によって到達された理論的真理をば文学的形象にまで兌換したものに相応するだけの内容を有つことが必要だ...
戸坂潤 「思想としての文学」
...併し実際に観念論からするこの二群の非難に相応する実在論は...
戸坂潤 「辞典」
...実際の事物に相応するような内容を持った論理を考えれば...
戸坂潤 「辞典」
...決してその手に相応する声ではありませんでした...
中里介山 「大菩薩峠」
...非我の世界にこれに相応する形相を発見しもしくは想像する事ができますが...
夏目漱石 「創作家の態度」
...自分の星に相応する宝石を...
野村胡堂 「呪の金剛石」
...この物質観の変革に相応する変革が...
三木清 「人生論ノート」
...第三に常識は有機的な知識として社会における均衡の状態に相応するものであった...
三木清 「哲学入門」
...この考え方は近代科学の方法に相応するものである...
三木清 「哲学入門」
...その言葉に相応するだけの決意を持っていなければならぬと私は考えます...
三好十郎 「恐怖の季節」
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