...(一月九日)八 何ゆゑに文語を用ふる乎(か)と皮肉にも僕に問ふ人あり...
芥川龍之介 「病中雑記」
...いささか皮肉にも響く言葉であった...
海野十三 「大使館の始末機関」
...皮肉にもA女のはうは...
小穴隆一 「二つの繪」
...それが夜になると皮肉にもカラリと晴れて...
大阪圭吉 「寒の夜晴れ」
...皮肉にも平尾氏の身の上に好い結果をもたらしました...
薄田泣菫 「恋妻であり敵であつた」
...皮肉にも別れ話の段になってようよう互にこだわりがなく打ち解けることが出来たのである...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...ひどく色っぽくも皮肉にもなる眼付――それに一抹の疲れが見えるのは...
豊島与志雄 「操守」
...一生を焦躁と憤懣(ふんまん)との中に送った伯父の遺言が、皮肉にも、憤(いきどお)る勿(なか)れ、となっていたのである...
中島敦 「斗南先生」
...皮肉にも前述の如くつんぼで盲目で...
牧逸馬 「運命のSOS」
...何とゆうこゝは自由なそしてほゝえましい世界だらう!そして ある日僕は板じきの上にのんきなアルマジロのように寝転んで手あたり次第に本のページをくってゐたそれは皮肉にも...
槇村浩 「長詩」
...たまたまそこへ皮肉にももうその頃新国劇へ転じていたかつての婚約者たりし宝塚の女優さんの名の入った近日びらの...
正岡容 「随筆 寄席囃子」
...皮肉にもかつて陸軍士官学校において先生が親しく薫陶したその軍人たちによってひき起こされたのである...
武者金吉 「地震なまず」
...島さんのは皮肉にもならないじぐちにすぎなかったが...
山本周五郎 「季節のない街」
...皮肉にも程度があるぞ...
横光利一 「上海」
...ところがその万太郎に、皮肉にも、また大きな猟奇心(りょうきしん)をあおるものが現れました...
吉川英治 「江戸三国志」
...それが皮肉にも常にバランスがとれないで...
吉川英治 「折々の記」
...皮肉にも、そのそれ矢は、李湛の背にあたって、李湛は馬から落ちて死んだ...
吉川英治 「三国志」
...――そして皮肉にも...
吉川英治 「私本太平記」
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