...三男の狷介と云ふのが靜子の一歳下の弟の志郎と共に士官候補生になつてゐる...
石川啄木 「鳥影」
...文人特有の狷介(けんかい)と懶惰(らんだ)とズボラが累をなして同郷の先輩に近づかず...
内田魯庵 「硯友社の勃興と道程」
...持って生れた狷介と懶惰とズボラとは爰(ここ)でも永続(ながつづ)きがしないで...
内田魯庵 「硯友社の勃興と道程」
...一面には極めて狷介で人に下るを好まないと同時に...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...例えば西園寺(さいおんじ)侯の招宴を辞する如きは時の宰相たり侯爵たるが故に謝絶する詩人的狷介(けんかい)を示したもので政治家的または外交家的器度ではない――という...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...赤木医師は風貌に似ず狷介(けんかい)な性格で...
梅崎春生 「凡人凡語」
...故人のそう云う狷介(けんかい)な性質が...
谷崎潤一郎 「細雪」
...余ヤ性狷介固陋世ニ処スルノ道ヲ知ラザルコト匹婦ヨリモ甚シ...
永井荷風 「申訳」
...隴(ろう)西の李徴は博學才穎(さいえい)、天寶の末年、若くして名を虎榜(こぼう)に連ね、ついで江南尉に補せられたが、性、狷介、自ら恃む所頗る厚く、賤吏に甘んずるを潔しとしなかつた...
中島敦 「山月記」
...死んだ伯父は「狷介(けんかい)ニシテ善(よ)ク罵リ...
中島敦 「斗南先生」
...削(そ)ぎ立てたようなトゲトゲした顔を狷介(けんかい)にふり立て...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...元来狷介な私のことでありますから...
久生十蘭 「魔都」
...監視員はひどく狷介で...
久生十蘭 「淪落の皇女の覚書」
...狷介(けんかい)な人物だといふことであつた...
森鴎外 「津下四郎左衛門」
...世にいふ一種の狷介不覊なるものが...
吉川英治 「折々の記」
...師のそういう狷介(けんかい)なところには...
吉川英治 「剣の四君子」
...儀は狷介(けんかい)」とは...
吉川英治 「三国志」
...不覊狷介(ふきけんかい)...
吉川英治 「新書太閤記」
便利!手書き漢字入力検索