...犬公方(いぬくばう)と下々(した/″\)の仇口(あだくち)に呼ばれた位だから無法に我々同類に御憐愍(ごれんみん)を給はつたものだ...
内田魯庵 「犬物語」
...我邦における犬公方(いぬくぼう)の名ある疎胆(そたん)雄略の綱吉が将軍職に就(つ)きたる明年(天和二年...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...犬公方(いぬくぼう)や犬役人どもに...
吉川英治 「大岡越前」
...戌年(いぬどし)の犬公方も...
吉川英治 「大岡越前」
...だが、将軍家が代替りもせずに、もうすこし、犬公方綱吉の、人間失格時代と、おめでたい自滅世相の代がつづけば、おめえたちにも、一役買わせて、もっともっと、おもしろい時世を見せてやれたんだが……惜しいことに、馬鹿将軍が死んでしまい、今の、八代吉宗になっちまったので、その方は、もう見込みがねえ」「その方っていうと」阿能十蔵は、かねてからうすうすそれに多分な興味をいだいていたらしく、この時と、突ッこんで、刑部にたずねた...
吉川英治 「大岡越前」
...犬公方の悪政の下で...
吉川英治 「大岡越前」
...もし、当時の犬公方、徳川綱吉が、その生母や悪僧の言(げん)を容(い)れて――生類(しょうるい)おんあわれみ――などという悪法律をもって、人間を、犬猫以下におくようなことをしなかったら、これらの人間は、決して、かくまで暗い半生は通って来なかったろう...
吉川英治 「大岡越前」
...浮浪者たちから慕われていた彼も――例の犬公方の悪政がやんだ頃から...
吉川英治 「大岡越前」
...犬公方(いぬくぼう)と民間では別名のある五代将軍の綱吉は...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...現将軍の名が綱吉ということは知らない百姓の子でも「犬公方(いぬくぼう)」といえば何だか知っている...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...みな犬公方の眷族(けんぞく)であるから...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...犬公方の下にふさわしい犬老中...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...しかし、犬公方の膝下で、犬宰相や犬大名たちとつきあう時には、上野介も、犬高家となるに如(し)くはなかった...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...(犬め、われは、犬に非ざるぞ)内匠頭は、犬公方の殿中で、犬群臣のまッただ中へ、そう呶鳴(どな)ってしまったのだ...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...それは犬公方の令による...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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