例文・使い方一覧でみる「物柔か」の意味

...阿Ｑの顔を見詰めて物柔かにハッキリ言った... 阿Ｑの顔を見詰めて物柔かにハッキリ言ったの読み方
魯迅井上紅梅訳「阿Ｑ正伝」

...君は北園竜子だね」博士は物柔かに云って... 君は北園竜子だね」博士は物柔かに云っての読み方
江戸川乱歩「悪魔の紋章」

...母が以前にもまして物柔かに父に対してゐるのを見ると... 母が以前にもまして物柔かに父に対してゐるのを見るとの読み方
田畑修一郎「鳥羽家の子供」

...まるで別人のやうに物柔かな顔になり... まるで別人のやうに物柔かな顔になりの読み方
田畑修一郎「鳥羽家の子供」

...彼のぶくぶくした身体の物柔かな動作までが... 彼のぶくぶくした身体の物柔かな動作までがの読み方
アントン・チェーホフ　Anton Chekhov 神西清訳「頸の上のアンナ」

...――お柳とあの女との物柔かな声……蒼白い顔……頬の線……鼻そのものが宿す深い影……冷たく輝く愛情の窓である眼……額（ひたい）……これらの相似はこの世にあり得る暗合であるかも知れない……しかしその表情？――彼はいま寂然としている自分の心へ言いかけてみた... ――お柳とあの女との物柔かな声……蒼白い顔……頬の線……鼻そのものが宿す深い影……冷たく輝く愛情の窓である眼……額……これらの相似はこの世にあり得る暗合であるかも知れない……しかしその表情？――彼はいま寂然としている自分の心へ言いかけてみたの読み方
富ノ沢麟太郎「あめんちあ」

...お雛の許婚の重三は、十年越し店に勤めた忠義者で、女のやうに優しい感じのする、物柔かな好い男、近江屋にはこれも遠縁に當るさうですが、それよりは、眞面目（まじめ）な勤め振りと、人柄を見込まれて、先代がお雛の許婚に定めた位の若者です... お雛の許婚の重三は、十年越し店に勤めた忠義者で、女のやうに優しい感じのする、物柔かな好い男、近江屋にはこれも遠縁に當るさうですが、それよりは、眞面目な勤め振りと、人柄を見込まれて、先代がお雛の許婚に定めた位の若者ですの読み方
野村胡堂「錢形平次捕物控」

...お雛の許嫁（いいなずけ）の重三は、十年越し店に勤めた忠義者で、女のように優しい感じのする、物柔かな好い男、近江屋にはこれも遠縁に当るそうですが、それよりは、真面目な勤め振りと、人柄を見込まれて先代がお雛の許嫁に定（き）めたくらいの若者です... お雛の許嫁の重三は、十年越し店に勤めた忠義者で、女のように優しい感じのする、物柔かな好い男、近江屋にはこれも遠縁に当るそうですが、それよりは、真面目な勤め振りと、人柄を見込まれて先代がお雛の許嫁に定めたくらいの若者ですの読み方
野村胡堂「銭形平次捕物控」

...平次は物柔かに問い進みました... 平次は物柔かに問い進みましたの読み方
野村胡堂「銭形平次捕物控」

...物柔かに訊くのです... 物柔かに訊くのですの読み方
野村胡堂「銭形平次捕物控」

...物柔かに斯（か）うきり出しました... 物柔かに斯うきり出しましたの読み方
野村胡堂「錢形平次捕物控」

...物柔かな驅け引きだつたのです... 物柔かな驅け引きだつたのですの読み方
野村胡堂「錢形平次捕物控」

...物柔かに女客を招じ入れた樣子です... 物柔かに女客を招じ入れた樣子ですの読み方
野村胡堂「錢形平次捕物控」

...物柔かで戰鬪的で... 物柔かで戰鬪的での読み方
野村胡堂「錢形平次捕物控」

...又静かな物柔かさに戻って行った... 又静かな物柔かさに戻って行ったの読み方
松永延造「職工と微笑」

...」とミュラア博士は物柔かにいった... 」とミュラア博士は物柔かにいったの読み方
トオマス・マン　Thomas Mann 実吉捷郎訳「トリスタン」

...急に物柔かな態度になった... 急に物柔かな態度になったの読み方
夢野久作「東京人の堕落時代」

...ボオイの独逸（ドイツ）人が物柔かな仏人に代つて初めて私は悠（ゆる）やかな気分になつた... ボオイの独逸人が物柔かな仏人に代つて初めて私は悠やかな気分になつたの読み方
與謝野寛、與謝野晶子「巴里より」

「物柔か」の読みかた

「物柔か」の書き方・書き順