...片時もこうしてはおられぬわいの...
泉鏡花 「悪獣篇」
...たがいに片時もお離れなさらず...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...ただ両方が憎々しいくらいな激しい眼つき片時も外(そ)らさんと相手の顔いそそいでました...
谷崎潤一郎 「卍(まんじ)」
...かの女は片時もBから離れてはゐなかつた...
田山録弥 「犬」
...片時も心の安まる時がなかった...
田山花袋 「トコヨゴヨミ」
...窕子はこの私の小さい珠玉だけは片時も自分の胸から離すことが出來ないと言つて...
田山花袋 「道綱の母」
...けれど彼女は片時もクリストフを恨まなかった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...これは片時も猶予(ゆうよ)なり難し」「新徴組なりゃ島田を覘うはずがない...
中里介山 「大菩薩峠」
...一時片時も心安き事なし――『日本国ハ皆日蓮ガ敵トナルベシ――恐レテ是ヲ云ハズンバ...
中里介山 「大菩薩峠」
...「これは深刻なんだぞオ」といふ言葉を片時も離さないで...
中原中也 「散歩生活」
...片時も忘れざりし根を断ち...
久生十蘭 「玉取物語」
...一日片時も怠慢に附すべからず...
福沢諭吉 「政事と教育と分離すべし」
...片時も注意を怠(おこた)ることなく...
福沢諭吉 「日本男子論」
...片時も放さず袋を握っていくのだ...
牧逸馬 「戦雲を駆る女怪」
...殊にオペラシンガーは自分の歌をお客様に聴かせるためにステージに出ていることを片時も忘れてはいけない...
三浦環 「お蝶夫人」
...六年片時も忘れることができなくて悲しい悲しいと思っていた人のことも...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...この人間の魂は愛なしには片時も生きられぬ...
室生犀星 「愛の詩集」
...少年時代から片時もはなさず持っていた父の遺物(かたみ)の剣も...
吉川英治 「三国志」
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