...一皮を剥いた下には赤く爛れた樣々の心が...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...燒け爛れた潮路を蹴つて...
伊藤左千夫 「古代之少女」
...眼葢の赤く爛れた汚らしいしかも年にも似合はず色氣の殘つてゐるやうな婆さんでした...
江南文三 「佐渡が島のこと」
...焼け爛れた両側の炭壁は不規則な退却をして...
大阪圭吉 「坑鬼」
...味噌汁の熱気に焼け爛れた身体を...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...爛れた神経の尖端で腐肉の中を吸いまわる...
種田山頭火 「赤い壺」
...青柳は縁の爛れたような目に...
徳田秋声 「爛」
...鉢の中の泥全体が腐れ爛れたようになって...
豊島与志雄 「蓮」
...爛れた舌を鍋の鳥で刺戟しながら朝食を済すと...
豊島与志雄 「理想の女」
...仰向になった儘爛れた太十の姿を発見した...
長塚節 「太十と其犬」
......
野口雨情 「雨情民謡百篇」
...悠然と眺め入る大膳正の爛れた好奇心は...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...爛れた生活を脊負ひながら雁江は...
原民喜 「滑走」
...銀色に燻る破片と赤く爛れた死体で酸鼻を極めてゐた...
原民喜 「火の唇」
...私の爛れた心を針のように刺す...
松永延造 「職工と微笑」
...その証拠に焼け爛れた短刀の中味は二人の枕元から発見されたにも拘わらず...
夢野久作 「あやかしの鼓」
...爛れた処は茶褐色...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...唇が爛れたように紅(あか)い...
夢野久作 「名君忠之」
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