...溢(あふ)るるばかりの同情(どうじょう)を以(もっ)て...
浅野和三郎 「霊界通信 小桜姫物語」
...健康らしいいゝ血色と蟠(わだか)まりのない気持のいゝお声と精力が溢れるやうなお体つきを見てゐますと私は自分の貧弱なのがいやになつて仕舞ひました...
伊藤野枝 「編輯室より(一九一五年一月号)」
...満場に横溢する力づよいざわめき...
谷譲次 「踊る地平線」
...さながら歓楽に溢(あふ)れたように聞えてくるのである...
近松秋江 「黒髪」
...ほとんど一面に朱と黄の色彩が横溢(おういつ)して見るもまぶしいくらいなので...
寺田寅彦 「庭の追憶」
...枕(まくら)に聞いたそれらしい響は雨だれの樋(とい)から溢(あふ)れ落ちるのであったのかも知れぬ...
永井荷風 「雨瀟瀟」
...一生懸命さが無精髯(ぶしやうひげ)の面に溢れます...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...處女の睫毛(まつげ)を溢れて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...なみなみと満ち溢れる明るいものが頻りに感じられるのだつた...
原民喜 「永遠のみどり」
...あの湯気の立つ蒸気で満ち溢れた窯以外比べようもないものだった...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...憂はしげにたたずんだ、年老いた乳母の深い頬の皺には、涙が溢れてゐた...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...秋の水が溢れて来たらそのまま溺れてしまはう...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...夜の部も溢れる大満員...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...御身の尽きざる精力の溢れ出たものにほかならぬあの行為を非難したりするか?予が今語っている人と三度目か四度目かに逢ったのは...
エドガア・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「しめしあわせ」
...まるで私のやうに沮喪の気色を露はにしてゐたが(大体彼のそれは横着な誇張癖なのだ!)唱に手綱を執られると凡そ私の場合には示しもしない好意に溢れて頭をあげた...
牧野信一 「剥製」
...体のこなし全体に溢れる女としての複雑な生活的な勁さ...
宮本百合子 「新しい美をつくる心」
...彼の全身は爽快(そうかい)な疲れと満足に溢(あふ)れていた...
山本周五郎 「雨あがる」
...争闘や残虐の現象が横溢したのではあるが...
和辻哲郎 「鎖国」
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