...少し湿っぽい部分のあるのを発見した...
海野十三 「ゴールデン・バット事件」
...植込の湿っぽい木かげで...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...お前の立っているその木かげの湿っぽい空気を...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...湿っぽい夜の闇を照していた...
妹尾韶夫 「凍るアラベスク」
...私の身体の重みで踏みしめている湿っぽい落葉がギシギシと滅(め)り込む音すらが...
橘外男 「逗子物語」
...雑草灌木の矢鱈無上に繁茂した湿っぽい地面につゝまれて...
谷崎潤一郎 「金色の死」
...それを知りたいばかりに喜久井町の家で欝(ふさ)ぎこんで湿っぽい日を暮しているものの...
近松秋江 「うつり香」
...用材からは湿っぽい臭いがしていた...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...心の湿っぽいのが...
豊島与志雄 「山上湖」
...(そして彼女はやや湿っぽい手を彼に差し出した...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...彼岸(ひがん)前に袷羽織(あわせばおり)を取出すほどの身は明日も明後日ももしこのような湿っぽい日がつづいたならきっと医者を呼ばなければなるまい...
永井荷風 「雨瀟瀟」
...香奠のしるしだ」平次は妙に湿っぽい心持になって...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...菌類の湿っぽい匂いが落葉の匂いに入りまじっていた...
堀辰雄 「風立ちぬ」
...湿っぽい廊下――内部(なか)には浅間しい二ツの亡きがらが...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...やや湿っぽい山気...
宮本百合子 「高台寺」
...今日限りに立って行く明石の浦との別れに湿っぽい歌を作りもしていたが...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...湿っぽい暗い音をさせながら...
室生犀星 「不思議な国の話」
...それなのにきょうプラアテルのような湿っぽい処(ところ)へ行くのはあんまり不養生じゃなくて...
シュニッツレル Arthur Schnitzler 森鴎外訳 「みれん」
便利!手書き漢字入力検索