...植込の湿っぽい木かげで...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...だが、下へ降りれば降りるほど、湿っぽい、土くさい空気が鼻をつき、その上次第に温度が下って、骨の髄までしみる寒さであった...
妹尾韶夫 「凍るアラベスク」
...湿っぽい土の匂いを嗅ぎながらぼんやり足を投げ出して居ると...
谷崎潤一郎 「少年」
...それを知りたいばかりに喜久井町の家で欝(ふさ)ぎこんで湿っぽい日を暮しているものの...
近松秋江 「うつり香」
...湿っぽい暮しの立て方をしている者もあれば...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...用材からは湿っぽい臭いがしていた...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...弁信は湿っぽい路次を辿(たど)って...
中里介山 「大菩薩峠」
...湿っぽい席に笑いの種を蒔(ま)かせたり...
中里介山 「大菩薩峠」
...代助は湿っぽい縁側に立って...
夏目漱石 「それから」
...(石のベンチは冷たい……木のベンチは湿っぽい……秋の逢引(あいび)き)詩のようなものを...
久生十蘭 「あなたも私も」
...ことに(あの人殺しのあったころのように)暖かくて湿っぽい時候には...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「マリー・ロジェエの怪事件」
...湿っぽい風が扁理に...
堀辰雄 「聖家族」
...湿っぽい密集した家屋から生ずる不純な空気...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...湿っぽい廊下――内部(なか)には浅間しい二ツの亡きがらが...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...鬱陶しく壁の湿っぽいような日が続いたが...
宮本百合子 「木蔭の椽」
...暗くて湿っぽい土間に長い飯台が二つ...
山本周五郎 「落葉の隣り」
...プーンと湿っぽい血けむりが...
吉川英治 「江戸三国志」
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