...僕は丁度(ちやうど)道ばたに芋(いも)を洗つてゐた三十前後の男に渡し場の有無(うむ)をたづねて見ることにした...
芥川龍之介 「本所両国」
...さらに川下の細間の渡し場から渡った者もあり...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...其処(そこ)へ往(ゆ)くには是非村境(むらざかひ)を流れてゐる高梁川(たかはしがは)の渡し場を越さねばならなかつた...
薄田泣菫 「茶話」
...帰途(かへり)にその渡し場を通ると...
薄田泣菫 「茶話」
...現在眼(め)の前にこんな川や渡し場が見えて...
谷崎潤一郎 「秘密」
...そのまゝ渡し場へ急いだ...
種田山頭火 「行乞記」
...渡し場にはいろいろなことがあった...
田山花袋 「田舎教師」
...なんでも大井川などは早く増水するように特に渡し場の所だけ深く掘ってあるとかいう話も聞いていた...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...府中のお六所様(ろくしょさま)の森の後ろと日野の渡し場に近いところ...
中里介山 「大菩薩峠」
...「これが鶴川の渡し場でございます」「なるほど...
中里介山 「大菩薩峠」
...甲州の本街道はまた関所や渡し場があって面倒だから...
中里介山 「大菩薩峠」
...その渡し場で、何かごたごたが起って、若い侍が一人、とっちめられている...
中里介山 「大菩薩峠」
...更に御厩河岸の渡し場の若い船頭は...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...明治病院の横にほんのさゝやかな渡し場があつた...
正岡容 「下町歳事記」
...あの渡し場を九州北岸へ渡つたらうと云ふ説が...
柳田國男 「蒼海を望みて思ふ」
...この渡し場からは雪の岩木山が真正面に見える...
柳田国男 「雪国の春」
...「おめえ渡し場の舟小屋を思いだしただな」「舟小屋だって」とふじこが訊いた...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...さらに次の浜名湖(はまなこ)の渡し場へさしていそいだ...
吉川英治 「神州天馬侠」
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