...云ふ事も「清い」とか「美しい」とか云ふ詞澤山の...
石川啄木 「病院の窓」
...廓の情調でも思ひ出させさうな題材を捉へて却つて反対に楚々たる清い感じをそそる様に...
上村松園 「螢」
...松葉屋を表に出ると清い涼しい風がさつと膚に當つた...
高濱虚子 「續俳諧師」
...些(いさゝか)の清い空気をだに得ることの出来なかつた自分は...
田山花袋 「重右衛門の最後」
...其のゆったりとしてやさしく大きく気高く清い姿がなつかしくてなつかしくて...
徳冨蘆花 「漁師の娘」
...オリヴィエの清い眼にたいして前日と同じ感銘を得た...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...あの清い素純な香もよい...
豊島与志雄 「蓮」
...それはただ清いと云う感じを起す寒い色に過ぎなかった...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...只一眼その姿を見てそそられる様な清い愛情の湧く姿も声も神からさずからなかった...
宮本百合子 「悲しめる心」
...清い広庭に出て行くことが...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...いまさらに野の清い広さにしみ入って眺めた...
室生犀星 「姫たちばな」
...今に一斉に清い諧律(かいりつ)が聞えて来るのだ...
シュニッツレル Arthur Schnitzler 森鴎外訳 「みれん」
...そこからこのような清い泉が湧き出たというのであります...
柳田國男 「日本の伝説」
...臨時に清い座を設ける習わしであったかと思う...
柳田国男 「年中行事覚書」
...女の児の清い心持ちに感心をしてため息をしました...
夢野久作 「白椿」
...清い浜べとまるい丘...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集拾遺」
...半(なかば)から腕の切り放されてある裸体の女は云ひ様もない清い面貌(おもわ)をして今や白※の様な生命(いのち)を与へられやうとして居る...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...市中には清い川が流れている...
和辻哲郎 「鎖国」
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