...彼等の姿がぼんやりと淡くなって...
ディッケンス Dickens 森田草平訳 「クリスマス・カロル」
...そうしてむしろかえってさんざん道楽をし尽くしたような中年以上のパトロンと辛酸をなめ尽くして来た芸妓(げいぎ)との間の淡くして深い情交などにしばしば最も代表的なノルマールな形で実現されたもののようである...
寺田寅彦 「映画雑感(※[#ローマ数字7、1-13-27])」
...物の影が淡くなって...
豊島与志雄 「秋の幻」
...陽光が淡くなってゆきました...
豊島与志雄 「沼のほとり」
...点々と淡く落ちていた...
豊島与志雄 「反抗」
...新月が淡く原頭のあなたにかかって...
中里介山 「大菩薩峠」
...高緯度の土地に特有な青磁色に淡く輝いていた...
中谷宇吉郎 「雪後記」
...蚊遣煙(かやり)が淡くこめて...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...初春の空に淡く咲くてふ(ちょう)...
萩原朔太郎 「郷愁の詩人 与謝蕪村」
...濃く淡く葉裏を返したりしながら...
堀辰雄 「菜穂子」
...その頭から踵までが棒のやうに堅くなつてゐるのに淡く肉体的の快感を感じた...
牧野信一 「毒気」
...深い泉水の底に眺める鯉のやうに淡く...
牧野信一 「緑の軍港」
...日本人は近代になってから特に弱く浅くモロく淡くなったのだ...
三好十郎 「恐怖の季節」
...附馬牛(つくもうし)の谷へ越ゆれば早池峯(はやちね)の山は淡く霞(かす)み山の形は菅笠(すげがさ)のごとくまた片仮名(かたかな)のへの字に似たり...
柳田国男 「遠野物語」
...色彩が淡く衰えているように感じられた...
横光利一 「比叡」
...琥珀色と翡翠と朱との淡く取合された感じのするサロンで...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...歓楽の疲れも淡く暮れるかと見えたころ...
吉川英治 「私本太平記」
...片側の崖の森から往来へ淡く立ちこめていた...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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