...」――露柴は涼しい顔をしながら...
芥川龍之介 「魚河岸」
...お君さんの涼しい眼には...
芥川龍之介 「葱」
...この涼しい裏座敷には...
芥川龍之介 「妖婆」
...酒臭い息を涼しい空に吹く...
石川啄木 「鳥影」
...涼しいのは松の下...
泉鏡花 「瓜の涙」
...手で動かすと軽い震動を起して涼しい気持ちをさせる...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...もはや七十歳ちかいけれども、このお婆さんは、腰もまがらず、眼許も涼しい...
太宰治 「お伽草紙」
...涼しい風が、食事をして汗ばんだ顔を撫(な)でて行くと同時に楽譜の頁を吹き乱した...
寺田寅彦 「小さな出来事」
...毀誉褒貶(きよほうへん)の圏外へ飛び出せばこの世は涼しいにちがいない...
寺田寅彦 「涼味数題」
...乳色の涼しいしぶきを蹴って...
林芙美子 「新版 放浪記」
...涼しい風の吹き通る甲板で〈アリアーヌと青髯〉のロマンスを聞きながらラムネを飲んでいると...
久生十蘭 「だいこん」
...あの眼もとの涼しいおれのハンナは...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...そこには落葉松が繁茂してゐて涼しい緑蔭をつくつてゐた...
堀辰雄 「恢復期」
...もう涼しいからね」ジョバンニは立って窓をしめお皿やパンの袋を片附けると勢よく靴をはいて「では一時間半で帰ってくるよ...
宮沢賢治 「銀河鉄道の夜」
...七月二十八日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 駒込林町より(江の島名勝 稚児ヶ淵の写真絵はがき)〕一寸涼しい風が吹くようでもあるでしょう? もののつり合いは面白いものですね...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...涼しい風が吹いて...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...明るくて、涼しい眞夏の晝、山中の湖水の岸は、總てがひつそりしてゐた...
吉江喬松 「霧の旅」
...もう夕月の藪(やぶ)の中を、小次郎に似た影が、涼しい顔して、町の方へ立ち去った...
吉川英治 「宮本武蔵」
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