...自らの腑甲斐なきに涙ぐむ...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...涙ぐむやうに冷たい飯を頬張ると餘りのうまさに自ら笑ひが頬を崩し眼に涙が浮ぶのを知つてゐるかうまいものを食ふ喜びを知つてゐるか...
千家元麿 「自分は見た」
...私は再び涙ぐむのを覚えた...
太宰治 「女の決闘」
...真(ま)っ赧(か)になるか涙ぐむかして...
谷崎潤一郎 「細雪」
...又さう言ふ父の心持が推(お)しはかられて自然と涙ぐむのである...
田畑修一郎 「鳥羽家の子供」
...ふと涙ぐむ時など...
近松秋江 「黒髪」
...夢みつつ涙ぐむのだ...
豊島与志雄 「神話と青春との復活」
...僕の肩にすがって涙ぐむ...
豊島与志雄 「慾」
...突つ込んで訊くと――「どうせ至らない私ですから――」と涙ぐむばかりです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...女御用聞のお品もツイ涙ぐむのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...もう痛みはありませんが――」とツイ涙ぐむのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...しぜんと涙ぐむやうになる情緒の昂進...
萩原朔太郎 「散文詩・詩的散文」
...そして、夜になると、『ロッキーに春がくれば』を合唱しては、涙ぐむのだった...
久生十蘭 「キャラコさん」
...一言の言葉も発せずに間もなく涙ぐむと...
牧野信一 「秋晴れの日」
...など言いまして涙ぐむ仕末に...
矢田津世子 「旅役者の妻より」
...朝霜の大川で洗濯するのを眺めながら「あたし西村さんの処へお嫁に行って上げたい」「ホンニナア」と涙ぐむ者さえあった...
夢野久作 「いなか、の、じけん」
...お袖も涙ぐむ...
吉川英治 「大岡越前」
...相手の涙ぐむのを見て...
吉川英治 「新書太閤記」
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