...そして死の直前に感じた苦しみの中に依然として浮き沈みしてゐる...
海野十三 「心靈研究會の怪」
...気狂のように波間を浮き沈みしながら...
豊島与志雄 「現代小説展望」
...人命二つの浮き沈みの方が遥かに大事であった...
中里介山 「大菩薩峠」
...深川油堀(あぶらぼり)の伊勢八という資産家の娘に生れた兼子の浮き沈みである...
長谷川時雨 「明治美人伝」
...人の世は灰なりとこそこもれる息もうたかたのそのうたかたの浮き沈み男こいしと唄うなり地獄のほむら音たてて荒く息するかたりあい...
林芙美子 「新版 放浪記」
...川の中ほどを浮き沈みして流されて来る...
原民喜 「夏の花」
...上下(うえした)に浮き沈みした...
ホーフマンスタール Hugo von Hofmannsthal 木下杢太郎訳 「チチアンの死」
...人生の流れに浮き沈み...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「玉手箱」
...波間に浮き沈みする木の枝や草の根のかたまりは...
本庄陸男 「石狩川」
...しかもその人形は同時に浮き沈みせずして別々に浮き沈みする...
正岡子規 「病牀六尺」
...黒田五十五万石の浮き沈みに拘わる一か八かの勝負に落ちるかも知れぬと思うたけに...
夢野久作 「狂歌師赤猪口兵衛」
...彼等は幾度か身の毛も竦立(よだ)つ浮き沈みに出合った揚句...
夢野久作 「鼻の表現」
...浮き沈みしている哀れな花江の顔が脳中を去来し始めると...
横光利一 「馬車」
...これらが日本経済の枠の中から商工業に引摺られ当然に転換せられる世界経済の波の中での浮き沈み...
横光利一 「夜の靴」
...矢代の気持ちも浮き沈みして進んだが...
横光利一 「旅愁」
...人間の浮き沈みと...
吉川英治 「新書太閤記」
...早い流れに浮き沈みして...
吉川英治 「源頼朝」
...やはり順を追って変哲もない浮き沈みの経路をここでもつい書かざるを得なくなった...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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