...彼女はいつも浮かぬ顔で話すので、何を考えているのか分からない...
...母は私が好きなことをしても、浮かぬ顔で見ていることがある...
...言いたいことを言えなくて、彼女は浮かぬ顔でいた...
...何か隠し事があるのか、彼は浮かぬ顔で話した...
...昨日の会議で上司が浮かぬ顔で話していたので、心配になった...
...始めて浮かぬ顔色の底に...
芥川龍之介 「妖婆」
...……」と、肩の重荷をまた一つ下ろした筈の松吉が、浮かぬ顔で、彼を呼び止めた...
海野十三 「雷」
...この男一向に浮かぬ顔して...
太宰治 「新釈諸国噺」
...」兄は浮かぬ顔をしていた...
太宰治 「如是我聞」
...一層浮かぬ顔つきをしながら...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...浮かぬ顔をして生返事をする癖があるのだが...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のおんな」
...倉持は何となく浮かぬ顔で...
徳田秋声 「縮図」
...二三日あちこち浮かぬ顔して...
徳永直 「戦争雑記」
...周平は浮かぬ顔付をしていた...
豊島与志雄 「反抗」
...しかも浮かぬ顔をしている者は多い...
永井隆 「この子を残して」
...こんな真似をして嬉しがるようでは文学士の価値(ねうち)もめちゃめちゃだ」と高柳君は瞬時にしてまた元(もと)の浮かぬ顔にかえる...
夏目漱石 「野分」
...なにやら浮かぬ顔をしてしきりに爪を噛んでいたコン吉が...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...帯の間に右の手を差し込んでションボリと浮かぬ顔...
久生十蘭 「魔都」
...矢張り浮かぬ顔付をしてデッキへ上って来た...
平林初之輔 「頭と足」
...簡単ですよ」やがてチャレンジャー卿が浮かぬ顔で書斎に戻ってきて...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「真劇シリーズ」
...少し遅れてイーガン刑事とグレディ刑事が浮かぬ顔で突っ立って見送った...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「謎の四つ指」
...にも拘らず下町育ちの伊井は島流しにでも遭ったような浮かぬ顔...
山本笑月 「明治世相百話」
...つねに、北町奉行との競争心にもえ、南びいきに、躍起となる市川楽翁が、なぜか、二人の門出にも、浮かぬ顔して、「せがれ...
吉川英治 「大岡越前」
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