...あの色の浅黒い顔は正に格二郎に違いない...
芥川龍之介 「格さんと食慾」
...浅黒い顔をにこやかにほころばせて...
江戸川乱歩 「影男」
...いい男に産んだお前のおふくろが悪いんだ」色の浅黒い...
太宰治 「人間失格」
...これは大阪に限ったことでなく都会の通有性だけれども江戸では女でも浅黒いのを自慢にしたくらいで色の白きは京阪に及ばない大阪の旧家に育ったぼんちなどは男でさえ芝居(しばい)に出て来る若旦那(わかだんな)そのままにきゃしゃで骨細なのがあり...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...浅黒い顔が艶々(つやつや)と光っている...
近松秋江 「うつり香」
...日に焼けた浅黒い...
豊島与志雄 「古井戸」
...顔の色は生れつき浅黒い...
永井荷風 「妾宅」
...あの色の浅黒い・隼(はやぶさ)の様な眼をした亜米利加女が...
中島敦 「光と風と夢」
...どうか旦那」平次の手は、いつの間にやら敷居を掴(つか)んで、挙げた顔――、少し浅黒いが、江戸っ子らしい、聡明な顔には、何やら涙さえ光っているのでした...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...浅黒いキリリとした顔を挙げました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...少し老けて二十二、色の浅黒い、眼鼻立ちのよく整った、華奢(きゃしゃ)な身体で、物腰の上品さも物言いの聡明さも、上州屋の嫁として全く申分のない娘です...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...このとき主人の平左衛門は四十前後、色の浅黒い、燻(いぶ)したような渋い感じで、態度の落着いているのは、その信心のせいだと言われておりました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...三十歳くらい、色の浅黒い、額の生え際が、洞海湾(どうかいわん)のように、頭部の中央に食いこんでいる、眼のぎょろぎょろした熊本弁まるだしの男である...
火野葦平 「花と龍」
...ハイジは浅黒い黄褐色(おうかっしょく)肌...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「幽霊島」
...Vis--vis(ウィザ ウィイス)の先生は、同じ痩せても、目のぎょろっとした、色の浅黒い、気の利いた風の男で、名を犬塚という...
森鴎外 「食堂」
...お松と云って、痩(や)せた、色の浅黒い、気丈な女で、年は十九だと云っているが、その頃二十五になっていたお金が、自分より精々二つ位しか若くはないと思っていたと云うのである...
森鴎外 「心中」
...ところが大変りなのでござる――」浅黒い唇を上へ舐(な)めた...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...秀三郎は、友達の浅黒い、艶々(つやつや)した肌を見る度に、自分の毛深かさに対して、子供心にも、激しい嫌悪を感ずるのでした...
蘭郁二郎 「足の裏」
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