...流し目にじろりと彼の顔を見て...
芥川龍之介 「偸盗」
...足を投げ出したり頬杖をついたりして無作法な様子をして句作に耽(ふけ)っている一座の様子を流し目に見てあまりいい心持もしなかったろうが...
高浜虚子 「漱石氏と私」
...と女は流し目に金を見た...
蒲松齢 田中貢太郎訳 「五通」
...流し目一つさえ、満足に表現し得ないエロなどというものが、のさばる事は、男女お互に恥辱である...
直木三十五 「大阪を歩く」
...流し目に益満を見た...
直木三十五 「南国太平記」
...それほどいやならば、この場を立って奥へでも行ってしまえばよいのに、いやになりながら、流し目で、七兵衛の運ぶ金包を眺めている...
中里介山 「大菩薩峠」
...流し目に兵馬を睨(にら)みました...
中里介山 「大菩薩峠」
...流し目に見ながら...
中里介山 「大菩薩峠」
...米友が流し目に見ました...
中里介山 「大菩薩峠」
...柔軟な腕を現わしつつ雨戸を引き乍ら私の方を見下ろして嫣然(えんぜん)と流し目を送って来たのであります...
西尾正 「陳情書」
...女房のお靜が汲んでくれた跣足盥(せんそくたらひ)の水を流し目に見て...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...一シイズン二千弗(ドル)以上(オーバー)という金の女神(エルロオ・エンジェル)の流し目にぼうとなって...
久生十蘭 「南部の鼻曲り」
...もうじき今月の狂言もおわりますゆえ、そうしたら、ゆっくりお目にかかりたいもの――」「何ですッて! 気の長い!」と、お初はジロリと、流し目をくれて、「あたしが、どんな世界に生きている身か、知らないお前でもあるまいに――」彼女は、別に、声も低めなかった...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...あいつの流し目を食っちゃあ...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...伊兵衛は金吾を流し目に見ながら小屋の裏手へ飛び出して...
吉川英治 「江戸三国志」
...ちらと流し目にお菊のほうを見もしたし...
吉川英治 「黒田如水」
...――ことば少なに、あとは流し目で、「いつも、おすこやかで」と、ひとみに、えならぬ情気をトロと焚(た)いてみせる...
吉川英治 「新・水滸伝」
...いやらしい流し目(ウィンク)を...
蘭郁二郎 「腐った蜉蝣」
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