...人目を憚(はばか)らない酔態に皮肉な流し目を送っていた...
芥川龍之介 「素戔嗚尊」
...流し目にじろりと彼の顔を見て...
芥川龍之介 「偸盗」
...そして事務長を流し目に見やって...
有島武郎 「或る女」
...意外な発見「いやにひねくれた奴ですなあ」大寺警部は戸口の方をちょっと流し目で見て...
海野十三 「地獄の使者」
...それは何でございますの?」呆気に取られてぽかんとしている私の顔を彼は流し目に見やりながら...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「むかでの跫音」
...依頼人に流し目を送る...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「三枚の学生」
...彼の方でもまたそっと流し目に見やった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...彼女は感動した媚(こ)びある流し目で...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...彼の機嫌(きげん)を取るためしきりに流し目を使っていたが...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...「上げましょうか」と藤尾は流し目に聞いた...
夏目漱石 「虞美人草」
...柱にあたってがちゃンと砕けた瀬戸ものを流し目に見ながら彼はしずかな声で云った――云うことが出来た...
本庄陸男 「石狩川」
...いくらか流し目さえ使って...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...もうじき今月の狂言もおわりますゆえ、そうしたら、ゆっくりお目にかかりたいもの――」「何ですッて! 気の長い!」と、お初はジロリと、流し目をくれて、「あたしが、どんな世界に生きている身か、知らないお前でもあるまいに――」彼女は、別に、声も低めなかった...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...月光の中に倒れている女の姿をジロリと流し目に――「なぜ顔を上げない? なぜ早く両手をついて詫びないか...
吉川英治 「江戸三国志」
...弥兵衛は流し目に...
吉川英治 「新書太閤記」
...――ことば少なに、あとは流し目で、「いつも、おすこやかで」と、ひとみに、えならぬ情気をトロと焚(た)いてみせる...
吉川英治 「新・水滸伝」
...名に負う八景の風光を流し目にして...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
...いやらしい流し目(ウィンク)を...
蘭郁二郎 「腐った蜉蝣」
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