...道学も説教もこれを説破するを得ぬ「ぬきさしならず身に沁みる面白さ」の力を...
阿部次郎 「帰来」
...犇々(ひしひし)と身に沁みる...
石川啄木 「病院の窓」
...眼に沁みるやうです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...厭も應もなく眼に沁みるのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...眼に沁みるような緋縮緬の長襦袢を踏みしだいた儘...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...曉方の風が身に沁みると...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...伊東博士が此の陵を評して「鬼氣身に沁みる閑寂の裡に...
濱田耕作 「沖繩の旅」
...變り果てた祖國の姿を見て沁みるやうな淋しさを感じた...
林芙美子 「雨」
...冷んやりとした空気が快く肺に沁みる...
原民喜 「心願の国」
...骨身に沁みるばかりの冷やりとしたものに……...
原民喜 「鎮魂歌」
...骨身に沁みるような...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...寒さが身に沁みるやうな一月の朝...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...浪路は、まだ遠い二人の仲を近よせる、いい仲立を得て、「もういつか、秋も深うなって、夜寒が、沁みる――さ、酌をしますほどに、ゆるりとすごすがようござります」と、ほっそりした手に、杯を取って、雪之丞にすすめる...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...」歯に沁みる冷い甘さを噛みしめながら...
水上滝太郎 「果樹」
...冷たい空気がヒリヒリと沁みるのを感じていた……そうして工場全体の物音が一つ一つに嘲笑しているのを聴いていた……...
夢野久作 「怪夢」
...眼に沁みるほど華やかで...
夢野久作 「暗黒公使」
...身に沁みる心地がする...
吉川英治 「新書太閤記」
...まばらなバラックが目に沁みる...
吉川英治 「随筆 新平家」
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