...手拭で顔の汗をふきふき言つた...
薄田泣菫 「独楽園」
...暑い街を俺は汗をふきふき...
高見順 「いやな感じ」
...留さんといふ出入りの仕事師が汗をふきふき入つて來た...
辻村もと子 「春の落葉」
...」おじさんは、汗をふきふき、いいました...
壺井栄 「柿の木のある家」
...汗をふきふきついて行った...
寺田寅彦 「鴫つき」
...帽子を阿弥陀(あみだ)に汗をふきふき駈(か)け戻って来て...
永井荷風 「深川の唄」
...小母さんが南瓜を十ばかり汗をふきふき切りながらいわれる...
永井隆 「長崎の鐘」
...汗をふきふき口早に水瓜入手のいきさつを語る先生自身の喜びがまずすでに大きかった...
永井隆 「ロザリオの鎖」
...若い衆の方は、金がなくても、夜寝床から裸でぬけだして、駕籠(かご)で飛ばして行くと、吉原で花魁(おいらん)がたてひいたんだと、紳士になってからも、湯上りにはすっかり形式をかなぐりすてて、裸になって、手拭を肩へかけ、立膝(たてひざ)でお酒をのんで、土用のうちでも、蔵前のどじょう汁だとか、薬研堀(やげんぼり)の鯨汁好みが、汗をふきふき、すっかり紳士面になりきってしまった仲間をこきおろすのだった...
長谷川時雨 「鉄くそぶとり」
...金五郎は、なおも、汗をふきふき、演説をつづけたが、ときどき、南階段の方へ投げる眸(まなざし)に、マンが、お京の方へ寄って行くのが見えた...
火野葦平 「花と龍」
...」そして彼は汗をふきふき次の舎へ駈け出すのだつた...
北條民雄 「癩院記録」
...汗をふきふきこれを書き出す...
宮本百合子 「一日」
...私はもうおなかの工合も直って汗をふきふき仕事しているから御安心下さい...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...腰へ手拭つけて汗をふきふき台所をひきうけて...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...声をからし汗をふきふき説得(せっとく)した...
吉川英治 「黒田如水」
...遅いどころじゃない」と、汗をふきふき、かえって馬元義に向って、不平を並べたが、同類の冗談半分とみえて、責められた馬(ば)のほうも、げらげら笑うのみだった...
吉川英治 「三国志」
...二汗をふきふき、佐兵衛は船から戻って来て、「お待たせいたしました...
吉川英治 「宮本武蔵」
...汗をふきふき歩いて行った...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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