...軽ければ重い人に気兼ねする複雑な心理にあやつられるものであった...
「草藪」
...私は内外(うちそと)に気兼ねをしながら見ていました...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...私への優しい気兼ねもあったのでございましょう...
太宰治 「皮膚と心」
...恋でも情けでもない見知らぬ人間に気兼ねをするのが私には億劫(おっくう)であった...
近松秋江 「うつり香」
...今までは二階借りであったけれど、今度は一軒借りきりで、気兼ねがない...
近松秋江 「狂乱」
...何故(なにゆえ)私は彼に気兼ねをしなくちゃならないでしょう...
コナンドイル Arthur Conan Doyle 三上於莵吉訳 「株式仲買店々員」
...それが変に二人の間に一種の親しみと気兼ねとを拵えていた...
豊島与志雄 「好意」
...気兼ねをするというのか...
豊島与志雄 「傍人の言」
...気兼ねのない家ですから...
豊島与志雄 「山吹の花」
...丸山勇仙が気兼ねをして...
中里介山 「大菩薩峠」
...その取散らかしを気兼ねをして狼狽したのだろうと思われます...
中里介山 「大菩薩峠」
...それが、白川村の話を聞いているうち、そうして、いよいよ、その白川郷まで入ってしまおうと決心した時、そんな気兼ねや、羞恥(しゅうち)が、一切合財サラリと取払われてしまいましたようです...
中里介山 「大菩薩峠」
...彼等に気兼ねなく振舞わせることが出来るであろうと思う...
久生十蘭 「黒い手帳」
...母への気兼ねからお初は剥き出しには話をしなかったが...
矢田津世子 「神楽坂」
...それに気兼ねをしたため...
柳田国男 「故郷七十年」
...あなたは甲谷さんへ気兼ねして...
横光利一 「上海」
...傍の真紀子にもう気兼ねもなく身体は露わにだんだん千鶴子の方へ膨れ傾いてゆくのだった...
横光利一 「旅愁」
...気兼ねをしながら...
蘭郁二郎 「魔像」
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