...彼は生れつきせっかちな気ぜわしい男だったから...
ワシントン・アーヴィング Washington Irving 吉田甲子太郎訳 「幽霊花婿」
...気ぜわしい人の往来(ゆきき)があった...
海野十三 「夜泣き鉄骨」
...今一つは東京人は地方人よりも非常に多忙で気ぜわしいので...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...兵馬が気ぜわしいうちにも頭を捻(ひね)って...
中里介山 「大菩薩峠」
...敗戦後のこの気ぜわしい時代には...
中谷宇吉郎 「ジストマ退治の話」
...それに登校前の気ぜわしい時にやるべき実験ではなさそうなので...
中谷宇吉郎 「立春の卵」
...死のうかさても侘しきあきらめかや真実友はなつかしけれど一人一人の心故……黍の葉の気ぜわしいやけなそぶりよ二十五の女心は一切を捨て走りたき思いなり片眼をつむり片眼をひらきああ術(すべ)もなし男も欲しや旅もなつかしああもしようと思いこうもしようと思う……おだまきの糸つれづれに二十五の呆然と生き果てし女は黍畑の畝に寝ころびいっそ深々と眠りたき思いなりああかくばかりせんもなき二十五の女心の迷いかな...
林芙美子 「新版 放浪記」
...ガラスのように固い空気なんて突き破って行こう二人はどん底を唄いながら気ぜわしい街ではじけるように笑いました...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...気ぜわしいベルの音...
久生十蘭 「あなたも私も」
...聖山からこっそり逢いに来る母の香具(かく)の気ぜわしい愛撫のほか...
久生十蘭 「うすゆき抄」
...それですぐ先頭のから気ぜわしいようすで走りだし...
久生十蘭 「だいこん」
...津軽海峡の鉄錆(さび)色の海の中へ突き出した孤独な岬の上に建っているこの「灯台の聖母修道院(ノオトルダム・ド・ファール)」にもこんな風に気ぜわしい春がくる...
久生十蘭 「葡萄蔓の束」
...気ぜわしい思いで...
堀辰雄 「かげろうの日記」
...わたしどもあなたが居心地よくていらっしゃればなによりなんですから」床の上をすべるような気ぜわしい靴の音...
「赤い貨車」
...栄蔵は、汽車を乗((ママ))りるとすぐから、うっかり傍見も出来ない様な、気ぜわしい、塵っぽい気持になった...
宮本百合子 「栄蔵の死」
...気ぜわしい庖丁の音...
山本周五郎 「七日七夜」
...気ぜわしいあたりのようすを由紀はじっと坐ったまま...
山本周五郎 「日本婦道記」
...どことなく気ぜわしい煙りが立ち昇って感ぜられる...
横光利一 「欧洲紀行」
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