...その歓喜に比しては比較にもならぬほど些少(さしょう)なものであるのを知った時...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...地球の軌道は恒星の距離に比しては非常に小さいということも考えていたのである...
スワンテ・アウグスト・アーレニウス Svante August Arrhenius 寺田寅彦訳 「宇宙の始まり」
...午過ぎの歩行は午前中に比してひどく疲労を感ぜしめられる...
飯田蛇笏 「茸をたずねる」
...独逸は他国に比して余り天恵に富んで居る国ではありませぬ...
井上準之助 「最近欧米に於ける財政経済事情」
...其の虐待を受けるのに比しては...
丘浅次郎 「自然の復讐」
...運の悪き者に比していっそう多くの財産を蓄積し使用すべきはもとより理の当然で...
丘浅次郎 「動物の私有財産」
...最初は天然物に比してはるかに格高であるが...
相馬愛蔵、相馬黒光 「一商人として」
...世界のあらゆる石器時代の土器に比して優位をしめてゐる程であるとも言はれ...
太宰治 「津軽」
...其中漫筆□こんにやくといふもの(豆腐に対比して)□物事をアテにすることは...
種田山頭火 「其中日記」
...乃至はまた東北信飛の深い渓山に比して見る...
田山花袋 「耶馬渓の一夜」
...彼は実に松陰に比して...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...一方が文学で他方が之に比して文学でないなどとは云えない...
戸坂潤 「映画芸術と映画」
...満身悉く傷痍を受けて殆ど完膚なきを見る然り彼れが盛名の時代に死せざりしは実に彼れの不幸なりき大不運なりきさもあらばあれ彼れは他の元勲政治家に比して最も堅固なる根拠を有せり政党の首領として最も素養ある位地を有せり他の元勲政治家は未だ利害を同ふするの政党を擁するものなく...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...その波に揺れながら枝葉間に諸生物を安住せしむる状(さま)を件(くだん)の神馬王の長毛に比して学僧輩が名づけたのかも知れぬ...
南方熊楠 「十二支考」
...若し男性の手に成ったそれに比して常に第二流の芸術的価値ほか持ち得ないものとしたら...
宮本百合子 「概念と心其もの」
...かつ去勢術が豚や馬に比して困難なのもそれがためだ」小山「どうしてそれを去勢するね...
村井弦斎 「食道楽」
...疇昔に比して分明に其大さを加へたことを認むるに過ぎない...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...角兵衛に取っては、相手の武蔵の如きは、巌流に比して、何者でもない気がした...
吉川英治 「宮本武蔵」
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