...毒々しい箱の字を少し振り返り気味にまでなって読むほどの余裕をその車に与えた...
有島武郎 「卑怯者」
...毒々しいほどに肥った顔...
上村松園 「朝顔日記の深雪と淀君」
...少々毒々しいものがあった...
江戸川乱歩 「江川蘭子」
...それから一分間とたたないうち、闇のなかからものすごい犬の鳴声や、砂利を踏む靴の音がきこえ、それからまもなく、逞ましげな足をした、毒々しい、ほっそりした、三匹の犬が死体のそばに現れた...
リチャード・オースティン・フリーマン Richard Austin Freeman 妹尾韶夫訳 「予謀殺人」
...それはむしろ毒々しい嘲笑であった...
相馬泰三 「田舎医師の子」
...ひとつは毒々しい赤いカンナの花...
田山録弥 「三月の創作」
...毒々しい声が「なぜ通過させないのだ」「どうして通過させないのだ」と云ふやうに思はれる...
オイゲン・チリコフ Evgenii Nikolaevich Chirikov 森林太郎訳 「板ばさみ」
...なんの役にも立たない毒々しい気やすめで...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...「お茶でも飲みたまえ!」とわたしは毒々しい調子でいった...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...彼は毒々しい皮肉な調子でいった...
トルストイ 米川正夫訳 「クロイツェル・ソナタ」
...その花のまた何という毒々しい色...
中里介山 「大菩薩峠」
...夜となく晝となく毒々しいほどさいなまれ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...向日葵(ひまわり)の化物のような真紅な蘇鉄花(イリアム・ソニア)がいたるところで悪夢のような毒々しい花を開き...
久生十蘭 「地底獣国」
...すてばちになつたら何ものにも恐れないと云ふ毒々しい気性がしんねりむつつりした容貌の上にあらはれてゐた...
平出修 「夜烏」
...丁度こんな毒々しい考に気が欝込(めいりこん)だ或宵のことであつた...
平出修 「夜烏」
...出來ることなら毒々しい口を利(き)くより...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...毒々しい嫌悪と侮蔑と嫉妬(しっと)に...
三好十郎 「胎内」
...薄っぺらで毒々しいかは前に述べた...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
便利!手書き漢字入力検索