...彼れの真闇(まっくら)な頭の中の一段高い所とも覚(おぼ)しいあたりに五十銭銀貨がまんまるく光って如何(どう)しても離れなかった...
有島武郎 「カインの末裔」
...人間の他の諸々の活動よりも何か格段に貴い事のやうに思ふ迷信――それは何時如何なる人の口から出るにしても私の心に或反感を呼び起さずに濟んだことはない...
石川啄木 「歌のいろ/\」
...皆々階段を下りて行く...
ヘンリック・イブセン Henrik Ibsen 島村抱月譯 「人形の家」
...そしてまた階段をのぼって...
海野十三 「地球要塞」
...書中の前段で、古河に下車してからの順路や、途中見聞すべき箇所を一々細かく指定したのち、次のように書き添えた...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...寺の高い石段を寶巖寺の老僧が新發意(しんぼち)などに扶けられて...
近松秋江 「湖光島影」
...方便は問う所にあらずとの「ジェスイト」派の慣用手段は...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...今度は一九五〇年の段階では...
中井正一 「現代美学の危機と映画理論」
...また一段と旨(うま)いし...
中里介山 「大菩薩峠」
...熱心さにおいて格段の違いがあります...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...植木の世話も一段落で...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...毎朝見る鏡に、眼ばかり大きくなってゆくのがわかるのだが、こう段々に、夜が苦しいものになって来ては堪(たま)らないし、眼のさめた瞬間の心さびしさも、朝々ごとに、たまらないものに思った...
長谷川時雨 「遠藤(岩野)清子」
...要言すれば資本のマニュファクチュア段階が幕末から明治にかけて...
服部之総 「加波山」
...暗くて急な梯子段の中途にかかると...
林芙美子 「貸家探し」
...「あけて呉れ!」今度は前より一段と声が高くなつた...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...親父はもう別段憤らうともせず...
牧野信一 「創作生活にて」
...斯ることごとは貴下に於いては既に充分御承知のことにて別段斬新にも無之...
牧野信一 「手紙」
...階段の曲り角の窓縁にのせてある...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「予言者の家で」
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