...鐚(びた)一文でも欠けるならたとい自分は餓死するとも雇われない」というから...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...今年だけ妙子が一人欠けるのも淋(さび)しいことなので...
谷崎潤一郎 「細雪」
...しかしそれで枯れ枝などを切ると刃が欠けるという主人の言葉はほんとうらしかった...
寺田寅彦 「芝刈り」
...あの大谷風呂でお借りした提灯を――」「無提灯で歩いちゃあ礼儀に欠けるというのは...
中里介山 「大菩薩峠」
...したがってまたみずから重んずる念が欠ける...
新渡戸稲造 「自警録」
...柔らかさの陰影に欠けるけれども...
萩原朔太郎 「郷愁の詩人 与謝蕪村」
...だからといって美しさに欠けることもなければ...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...音調に泥(なず)みて清新なる趣味を欠ける和歌の到底俳句を利するに足らざりしや必せり...
正岡子規 「俳人蕪村」
...マルサス的思想においてもまた欠けるところはなかった...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...従って彼に割当てられた土地を放置しておくのは市民たるの義務に欠けるものと感じたことであろう...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...決して我々に欠けることのない唯一の報いである...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...生命の勢いに欠ける...
柳宗悦 「工藝の道」
...それは完全なる知識に欠けるが故ではなく...
柳宗悦 「工藝の道」
...合理に欠ける日本人は...
柳宗悦 「民藝四十年」
...手当には欠けるものがなかった...
山本周五郎 「落ち梅記」
...髪に触れても刄(は)の欠けるもろい鑿(のみ)ゆゑ大事がる...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...連判に欠けるかと不安視されていた細川兄弟も着陣した...
吉川英治 「私本太平記」
...以前は眠る僧をば拳が欠けるかと思うほどに打ったが...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??